第20話

数学の補習。
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2017/10/15 12:04
馬渕 樹
鵜浅、次ここ。
鵜浅 颯夜架
ん?あ、そこはね…
数学の補習が始まった。
辛いけど、みんなで教え合うため、席は移動してよい。
それぞれ、難問に立ち向かっていくのだ。
今の私は完全に馬渕くんの専属。
馬渕くんの後ろの席で淡々と、補習をし、質問に応えている。
でも、私にも分からない問題はある。
鵜浅 颯夜架
先生に聞いたが早くない?
馬渕 樹
先生は嫌やん
1組~3組までが補習が行われている。
数学の先生は1組~3組までを巡回していて、私たちが聞けば教えてくれる。
でも、いつでもいる訳では無いから、来るのを待つか、呼びに行くしかない。
鵜浅 颯夜架
ほかの人にも聞いてみるね
私じゃない人ならわかるかもしれない。
そう思って周りを見渡した。

あれ?

私の周りには仲いい人が誰一人としていなかった。
全員、麻生ちゃんの方へ集まっていたのだ。
鵜浅 颯夜架
あ!先生、ここ!
たまたま、先生が通りかかったから、教えて貰った。
馬渕くんも一緒に。
私も馬渕くんもしっかり理解出来た。
江崎
おい!樹!こっちこいやん!
馬渕 樹
あー、うん
ちょっとダルそうに返事をして、馬渕くんは江崎くんの元へむかった。
ふと、時計をみると、とっくに1時間が過ぎていた。

あと、1時間、どっちにしろ待っとかないかんけんなー。
でも、周り誰もいないんじゃ。
一人で勉強しようかなー。
湖東 実莉
うさ、ここどーすると?
小湊 華乃
あっち、おっても、全然分からんけん、教えて。
そう言って、二人が来てくれた。
すごく嬉しかった。
鵜浅 颯夜架
えっと、ここは…
星野 麻生
華乃ー、なんでそっち行くと?
小湊 華乃
教えてもらうだけ!
私の声を遮ってまで言ってきた。
たぶん、遠回しに私を一人にしたいのだろう。
二人に問題を教え終えても、二人は麻生ちゃんの元へ戻らなかった。
湖東 実莉
麻生、めっちゃ言いよったよ。あと、話さんでほしいって。
鵜浅 颯夜架
そんなこと言っても、話しかけてくるの馬渕くんやもん。
事実だ。
さっき、馬渕くんに教えてた時も、すごく視線を感じてた。
たぶん、すごい目で睨まれてたのだろう。
今の顔もすごく不機嫌そうだから。
でも、私が馬渕くんを好きな以上、譲るわけにはいかなかった。

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