ジュネside
あれから2ヶ月がたって夏に入った。
あいつからは1つも連絡がなくて
もう終わったって思ってた。
待っても待ってもあいつからの電話は来ないし、
毎日毎日今日はかかって来るかなって期待するのにも疲れた。
え?『あなた』が?家に?
俺の実家に来たのか?
くそあいつのばあちゃんちなんか知らねえし。
そもそもなんで韓国にいるのに連絡しないわけ?
そんなに俺に会いたくないの?
その夜。
宿舎でメンバーと最近始めたiKONIC TVをしていたら一本の電話がかかってきた。
電話番号教えてもらったんですけど。。
って誰だよ。サセン?
誰だかわからないけど、サセンかなって思って電話を切った。
サセンじゃなくてあなただったらいいのに。
次の日。
ひさびさのオフで宿舎で昼過ぎまで寝て、
午後から暇になってひさびさに散歩しようってことになって、ハンビニヒョンとジナニヒョンと一緒に宿舎近くのカフェに来た。
カフェ周辺は、高級住宅街だからファンも来ないし
俺らのことを騒ぎ立てる人もいないから
気楽でいれる。
店の入り口に座って、
コーヒーを飲みながら、3人でVアプリで放送しながら過ごしていた。
店内に人が入って来たおとがして、
その人が俺らの横を通り過ぎたあとだった
フワっていい香りがした。
いい匂い。どきっとした。
俺知ってる。懐かしい香り。
こんな匂いするやつってまさかと思って見てみるとそこまで高くない身長、長い髪、うしろすがたの懐かしい女が歩いてカウンターに行ってた。
あなた。だよな。
心臓が物凄い速さで、ドキドキしはじめた。
頼み終わったのか広い店内でどこを座ろうか、
キョロキョロしている。
やっぱりあなただ。
こんなとこで会えるなんて。
こんなことってありえる?
手にはオレンジジュースを持っている。
とりあえずめちゃくちゃ興奮してテンションがあがって来た俺。
どうしようか。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。