─キャーーー─
今日も、女子がたくさん集まっている。
そこは
サッカー部の練習場所。
うちの学校では、イケメン揃いと言われているサッカー部。
その中でも1番カッコイイと思う人…
山田先輩。
山田先輩は、ずっと昔からサッカー部してて、本当に上手で、かっこよくて…
もう、モテモテの先輩!!
(いつか、先輩と話せたらいいなぁ…)
こんな思いは届くはずもない。
こんな私に気づいてくれるわけない…。
・
夕日が輝く帰り道。
ここで私はいつも先輩を思っている。
「先輩、今日もかっこよかったなぁ…」
こんな言葉呟いても届くはずなんかないのに…
でも、今日は違った…
《先輩って俺のこと…???》
そこにいたのは…
山田先輩…
じゃなくて、近くに住んでいる、有岡先輩だった。
「先輩!!こんにちは!!」
あ、あぶないっ…
《かっこいいって…俺??》
どう答えればいいんだろう…。
先輩に違いますとは言えないからなぁ…
〈おい、有岡、俺のファンとるなよ!!〉
そこに現れたのはっ…山田先輩!!!
「山田先輩!?」
〈そうだよ…俺のことだろ??〉
返事…Yesですよ…!?
〈いつも来てくれてるの知ってるからね!?〉
いつもって…
《あ、俺、邪魔だな…!? じゃあ、ばいばい!!》
「さようなら!!」
〈ばいばい〜〉
〈あなたちゃん!? 有岡に何言ったの???〉
「えっと…その…」
「今日も先輩かっこよかったなぁ…って」
〈それって…俺のことでいいの??〉
「はい!! もちろんです!!」
〈それならよかった!!実はさ…〉
え、先輩!? 何でしょうか…
心の準備できてませんよ…
〈あなたちゃんと話してみたかった。〉
え、う、うれひい…
「私もですよ!?」
〈じゃあ、LINE交換しよ???〉
「はい!!」
先輩からもらえて嬉しかった…!!
家帰ったら先輩から何か届いてるかなぁ…
それとも…当選発表のメールが先かな…
たのしみだなぁ…
end
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。