第2話

登校
10
2017/10/10 03:49

「ねえ、景都。どこの高校行くか決めた?」

「まあなんとなく。ここかなってのは」

中学3年と言うことで進路を話すことが多くなる時期

小さい頃からずっと隣にいた景都と離れるかもしれない

いや、離れると決まったような高校の話は私にとって結構胸を痛める質問

「やっぱり春坂高校?」

「まあ」

「なんやかんや言って景都って頭いいもんね」

「それって嫌味?」

「さあ?どうでしょう?」

きっと景都も私から離れる時がいずれ来る

そう考えるだけで不安しかなくて

「そうやって自分傷つけるのやめろよ」

「そんなんじゃないし」

やっぱり景都は私の幼馴染だなって実感する

他の人じゃ分からないこともすぐ見破るし

どうせ頭いいなら他のところで生かしてほしいくらい

でも景都の優しさを知ってるから

これはこれで辛いよね

「ならそんな泣きそうな顔するな」

「大丈夫。いつもこうやって乗り越えてきたこと知ってるでしょ?」

「知ってるけど...」

「そんなに心配しないで。景都の大切な時間を私の無駄なことで使わないで」

「でも、助けて欲しい時はちゃんと言えよ?これだけは約束な」

「はいはい」

「ただあなたのブスな泣き顔を見たくないだけだけどな(笑)」

「酷い!さっきまで良い奴だと思ったのに。もう景都なんて嫌い〜」

「ごめんごめん(笑)」

「じゃあ帰りに甘い物奢ってくれるならいいよ」

「わかった」

「言ったね!忘れたとかなしね」

「はいはい」

「帰りが楽しみ〜」

「俺の財布が...」

景都はいろいろ言うけど私のことを思って言ってくれる

そして私はいつも思う

もし景都がいなかったらって

だから景都には感謝しきれないほど大切な人なんだなって思う

その後少し話したら学校に着いた

プリ小説オーディオドラマ