前の話
一覧へ
わたしの学校では来年から給食が始まる。わたしは始まって欲しくない。理由は二つある。
一つ目は給食が冷めていることだ。
今回の給食は学校で作るのではなく給食センターが作って運ばれてくる。絶対に冷めているにきまっている。
証言もある。給食のモデル校だった人は「あったかくなくてまずい」と言っていた。
冷めている給食を食べるくらいなら弁当とさほど変わらないではないかと思った。
二つ目の理由は牛乳との相性だ。
小学校の時に何度も思った。ご飯と牛乳。まずすぎだ。ある日、小学校で最悪のメニューが出た。
ご飯 納豆 味噌汁 ひじき煮 そして… 牛乳
献立を考えた人は相性を考えなかったのかと思った。
だから給食が始まって欲しくない。できれば給食と弁当の選択制が良かった。ご飯の日はお茶が良かった。そう思いながらわたしは来年から給食を食べなければならない。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。