やっと...真選組に着いた...
どこ...
刀は…どこ...
声が、聞こえる?
私を、呼んでいる?
...こっちだ。
土方さんの横を走り去りながら叫んだ。
土方さんが何か言ってるけど、本当に時間が無い。
ごめんなさい、土方さん!
それでも声のする方向へ走り続けるあなた。
あった、これだ。
私の刀。
何故だろう、こんなに厳重に保管されている。
大きな箱の中のガラスのショーケースに刀が映って見える。
でも、それはダミーで箱のそこの板をはぐると本物の刀が鎖のようなものに繋がれている。
刀の声が聞こえるあなたには、ダミーなんてすぐにわかった。
刀を掴んだ、
...キイーーーン
まただ。記憶の断片が...ってあれ?
今まで見てきた記憶とは違った景色が頭の中に流れる。
こ...れは?
私の今いる世界じゃない。いや、ここが私のいるべき世界じゃない。
一瞬にしてあなたはすべてを悟った。
ここは銀魂の世界だ。私は何故かわからないけど、この世界にトリップした。
だから、初対面のはずなのにみんなのことがわかったんだ。
再び走り始める、港へ。
真実を知らなきゃ。なぜ彼は私をこの世界に呼んだんだ?
...高杉は。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!