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第2話

なんともまぁ悲惨な出会い方
24
2017/10/10 10:52
ぶつくさ嘆きながら傘を指して歩く通学路。
見慣れない風景だけど、まあまあいい感じかなって。
桜の木が川に沿ってる。
楠原咲良
桜が咲いてたら綺麗なんだろうなぁ…。
自分で言って自分で落ち込む。
どんだけ桜期待してんだよ。
…まぁ期待もするはずだ。
自分の名前と桜で、友達作りに役立ちそうな何かいいネタはないかとずーっと考えていたところだ。
考えていたところだったがこれだ。
桜が散りやがって。
楠原咲良
今まではいっつも晴れてたのになぁ。
見上げた空に泣き止む気配は感じない
楠原咲良
だいたいこんな大雨ってだけでもテンション下がるのに、桜も一緒に散るのはなくない?春といえば、入学式といえば…
早瀬将生
あぶねえあぶねえあぶねえあぶねえあぶねえあぶねえあぶねえあぶねえあぶねえあぶねえあぶねえあぶねえあぶねえ!!!!!!!!!!!
え?
って思った時にはもう遅かった。
私は気付いたら倒れてた。草の上に。
何かが思いっきり体にあたって痛みが走り出して。
体が冷えていく感覚に嫌な予感がした。
楠原咲良
嘘…でしょ…は…??
自分の姿を見た時の絶望感はきっとこの先忘れないだろう。
当たりどころが良かったのか怪我はあまりしていなかったけれど、真新しい赤チェックのスカートには泥がついていて、キラキラしていたはずのブレザーには雫と葉っぱで緑になってて。唯一無事だと言えば中に着ていた白いブラウスだけだった。
楠原咲良
何してくれてんの!???
馬鹿なの??!!
てか下り坂でそのスピードでチャリ漕いでくる??!!
早瀬将生
ごめんごめんって!!
でもあぶねえってちゃんと言ったろ?!
俺だって止まろうとしたし…!!
楠原咲良
でもこっちは高い金払って3年間を共にするはずだった制服を汚されてどう入学式に出ろって…
早瀬将生
あっやばい!!!!
祐介(ユウスケ)との待ち合わせに間に合わねえ!!
悪いな!!じゃまた!!!!
気付いたら風のようにまた走り抜けていった。
濡れた私を置きざりにして。
楠原咲良
ていうかなんで雨なのにチャリなのよ…
彼が改造したのかもしれないが、自転車のハンドル部分には傘用のスタンドが付けてあった。傘もそれなりに大きめで、よく考えられている。
楠原咲良
…ってそうじゃなくて。
空を見上げてみたら、ほんの少しだけ、自分の心と重なっていくのがわかった。
初対面の人間にあんなことをしておいて、よく平気でいられるものだ。この道を通って通学しているということは、またこの道を通れば会えるということだろう。
楠原咲良
今に見てろよあのクソガキ。
女子らしからぬ言葉を発して、その場から歩みを進めた。
私の傘は、川にながされていった。