第15話

思い出す
143
2017/12/22 14:14





いよいよ今日。

私が翔くんに振られる日。

いや、まだもしかしたらって期待してる

自分がいて、失笑が漏れる。



あなた  いや、翔くんは沙羅ちゃんが
    好きなんだって…………笑
    はあ、振られるんだなぁ。



翔くんとの約束の時間まであと少し。

それまで特にすることもないから、

私は無意識に、翔くんとの思い出を

たくさん思い出していた。





一番最初。

翔くんが私の家のお隣さんになって、

そこから兄妹のように仲良くなった。


私がナンパにあって怖くなってると

翔くんは駆けつけてきて助けてくれた。

その時から、名前で呼ぶようになって。


翔くんが“お兄ちゃん”から“好きな人“になって。



そんな時、沙羅ちゃんが家に来て。

翔くんと会って



私は失恋して、たくさん後悔をした。

でも、大切な親友と幼馴染みは、

私のダメダメな所もちゃんと

受け入れて話を聞いてくれた。




私はきっと、

恋をして、

少し、弱くなった。


だけど。

その分、少し、大人になった。

大切な人に気づけた。




実らない恋であっても、実る恋であっても。

恋は、人を強くすると思った。




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