第2話

近づかないでくれ
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2017/10/10 08:15
イツキ
何度言ったら分かるんだよ
俺に近づくなつってんの
幼馴染みでずっと仲良しだったイツキと藍。
それがどういう訳か高校生になった途端にイツキが一方的に藍を嫌うようになった。
周りの者達はまぁ当然だろうなどと思っている。
何故なら成績優秀で生徒や先生からの信頼も厚い、それに友達も多いイツキに対して藍は全てにおいて普通、女子から少しはモテるものの友達と呼べるのはイツキだけだからである。
周りから不釣り合いな友達と思われて当然と言えば当然だ。
な、なんで?
僕…何か悪いことした、かな?
何の前触れもなくイツキから無視されたりしている為そうなった理由もわからない。
大方自分に原因があるのだろうと藍は思っている、だが理由が分からない限り直しようがない為藍はとても困っている。
何度か理由を聞こうとしたが鬱陶しい、と言われていつも話してくれない。
今もイツキは藍の事を無視して教室から出ようとしてる。
い…イツキ!待って!待ってよ!
必死に止めようとするがそれも虚しくイツキは出ていってしまった。
うぅ…ホントに僕…何しちゃったんだよ…
もう他の生徒は帰ってしまって静かな教室に藍の泣く声だけが響く。
イツキ
クソッ…なんでお前が泣くんだよ…
教室から出ていったイツキはすぐ帰らず藍の様子を伺っていた。
藍を泣かしてしまった自分がとても許せなかったのだろう、藍が落ち着き泣き止むまでずっと帰らずに待っていた。
藍はそんな事知らずにずっと泣き続けていたのだった。

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