第5話

異変
331
2017/10/12 04:08
藍said

イツキが走って教室を出ていってしまった後僕は暫く立つ事が出来なかった。
空気を取り込むのに必死になっていた為イツキの後を追うことが出来なかった。
だが数分すると僕は落ち着きを取り戻し帰る準備をした。
鞄を取ってイツキの席を少し見ると机の上にストラップが置いてあるのが見えた。
あれ、これって…
そのストラップを手に取る、それは可愛らしい猫のぬいぐるみのストラップだった。
確かこれ僕とお揃いで買ったやつだ。
自分の鞄に付けている犬のストラップを見る。
高校になってから鞄につけたりとかしてるの見なかったからてっきり捨ててたのかと思ってた。
ちゃんと持っててくれたんだ…
そのストラップを握りしめ下駄箱に向かった。
明日渡そう、まだ持っててくれたという事は僕の事…まだ好きでいてくれるかもしれない…、そう思ったから。
家に帰ると鞄とストラップを置いて僕は洗面台に向かった。
首元を見るとイツキの手の跡がくっきり残ってた。
僕はそれに触れる、まだ少し痛むな。
でも…イツキが付けてくれた跡だと思うと…少し嬉しいとか思っちゃうんだ…。
僕っておかしいのかな…?

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