俺はスマホだけ持って外に出た。
あの公園に行くと狼と知らない誰かが話しているのが見えた。
フードを被ったソイツを見て俺は直感的に死神の類か何かかと思った。
そいつは大鎌を手に持って狼を見下ろしている。
狼はソイツを見上げて睨んでいる。
狼の口元を見ると赤く染まっていた。
もう食い始めてんのかよ、と呆れながら狼の足元に倒れてる人を見る。
どうやら2人は知り合いみたいだった。
そう言い返す狼を見下ろしながら死神らしきものははぁ、とため息をついていた。
そう言うと俺の方を見る、なんだ気付いてたのか。
俺はそう言われても動じずに狼の近くに行く。
狼はそう言うと俺の腕に抱きついてきた。
気持ち悪い、離れろ。
俺が腕を振り回すと狼は離れた。
そんな俺達を見てソイツは目を丸くする。
そう言って狼の頭に手を乗せた。
人間の友達なんか作ってんじゃねえ的な事言うと思ったら真逆の言葉だった為俺は少し驚いた。
俺はソイツに自己紹介すると自分は死朽、死神だ。と名乗った。
あぁ、やっぱり…。俺の周りは化け物以外いねえのか…。
狼はニコッと笑ってそう言った。
それを聞いた死朽はもう二度と呼ぶんじゃねえとか言ってどっか行った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。