第5話

狼の食事
212
2017/10/12 04:45
そろそろ行くか
俺はスマホだけ持って外に出た。
あの公園に行くと狼と知らない誰かが話しているのが見えた。
死朽
お前か、最近人を食い荒らしてんのは
フードを被ったソイツを見て俺は直感的に死神の類か何かかと思った。
そいつは大鎌を手に持って狼を見下ろしている。
狼はソイツを見上げて睨んでいる。
狼の口元を見ると赤く染まっていた。
もう食い始めてんのかよ、と呆れながら狼の足元に倒れてる人を見る。
継ぎ接ぎ狼
別にいいでしょ?何?君も少子化社会とかそんなのがどうこう説教しに来たわけ?
どうやら2人は知り合いみたいだった。
そう言い返す狼を見下ろしながら死神らしきものははぁ、とため息をついていた。
死朽
そんなんじゃねえけどこちとら仕事が増えて困ってんだよ、それとそんなに腹減ってんならあそこのガキも食えばどうだ?
そう言うと俺の方を見る、なんだ気付いてたのか。
俺はそう言われても動じずに狼の近くに行く。
継ぎ接ぎ狼
あ、渚君!
渚君はダメだよ!僕のお友達なんだから!!
狼はそう言うと俺の腕に抱きついてきた。
気持ち悪い、離れろ。
俺が腕を振り回すと狼は離れた。
そんな俺達を見てソイツは目を丸くする。
死朽
友達……
お前見える類の人か、そうか…良かったな
そう言って狼の頭に手を乗せた。
人間の友達なんか作ってんじゃねえ的な事言うと思ったら真逆の言葉だった為俺は少し驚いた。
俺はソイツに自己紹介すると自分は死朽、死神だ。と名乗った。
あぁ、やっぱり…。俺の周りは化け物以外いねえのか…。
とりあえず早く食事してる所見せてくれよ、ムービー撮ってやるから
継ぎ接ぎ狼
もちろんだよ!
死朽君、そういう事だからそこの死体の回収は待ってよ、後でまた呼ぶからさ!
狼はニコッと笑ってそう言った。
それを聞いた死朽はもう二度と呼ぶんじゃねえとか言ってどっか行った。

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