第6話

狼の食事②
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2017/10/12 06:06
継ぎ接ぎ狼
さーて!死朽くんも居なくなったしゆっくり食べよう!
ってあら!?渚君!?何してんの!?
ちょ、黙れ、写真撮ってんだよ
見てわかんねえのか
そう、俺はまず狼の食事を見るより先にもう既に食べられてしまった人の死体の写真を撮るのに必死だった。
狼がそのまま噛み付いたのか顔がなかった。
顔の皮が剥がれて真っ赤だった。右目も左目も無くなっていた。
でも、それでも綺麗だと思った。
あぁ…これ持ち帰りたいんだけど…
継ぎ接ぎ狼
は!?いや…それは流石にダメでしょ…
それより!写真沢山撮ったからもういいでしょ!?
早くしないと折角気絶させたのに目覚めちゃうよ!
あぁ、そうだった。
俺は一通り写真を撮った後狼に向き直った。
んじゃ、頼むわ
俺はムービーを撮り始める。
継ぎ接ぎ狼
うん!改めて、いただきまーす
そう言うと狼は人間の腕に噛み付いた。
ビチャッ!
強く噛み付いた為か血が飛び散る。
俺の頬にも血が、血を指で取り舐める。
…鉄の味がする
継ぎ接ぎ狼
そりゃそうでしょw
血なんだからw
狼はまたかぶりついていた。
さっきとは違う腕に噛み付く、そして次は両足を、首を。
人間は四肢をもがれ完全に胴体と分かれた。
俺はそれを一通り撮り終わると、普通のカメラに切り替えて写真を撮る。
ちゃんと両腕、両足、頭、胴体と分けて。
あー、容量足りるかなぁ
それにしても間近で見ると凄いな
継ぎ接ぎ狼
ふぅ…美味しかったぁ
…渚君すごいね、実際見たら気持ち悪がると思ったのに
まぁ…な
これさ、胴体はどうでもいいけど頭とか腕とか、1個ずつ持って帰れないか?
俺はスマホだけしか持ってきてなかったから死体を入れる物がなかった。
すると狼は大きなボストンバッグを差し出してきた。
継ぎ接ぎ狼
とりあえずこれに入れたらどう?
でも死体そのまますると腐っちゃうよ?
あぁ、大丈夫
保存方法とかちゃんと調べたから
それとお前口元拭けよな、きたねぇ
俺はポケットにたまたま入れてたハンカチで狼の口を拭ってやった。
継ぎ接ぎ狼
あ、ありがとう!えへへ〜
拭ってやっただけなのに狼はすごい嬉しそうだった。

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