物心ついた頃に両親はいなかった。だから私はとある施設に入れられた。
でもすぐに施設から開放された。
だって施設は燃えたから。その施設の近くではよく火事があった。
それ程治安が悪かったのだ、そして施設にも放火された。
その時運悪く逃げ遅れた私は身体の殆どの部分、そして顔半分にまで大火傷を負った。
まぁ、その放火犯はこの大きな施設が燃えた事で捕まったらしいけど。
それからが大変だった、私は行く宛もなくさ迷い続けてた。
そして会う人会う人に化け物だ、醜いだ、等とを散々罵られた。
だから羨ましかったんだ、綺麗な肌の人が、一つでも自分の体で自慢出来る場所がある人が。
だからその人の綺麗な部分だけ取った、取ったものは家に飾ってる。
取られた人は皆私の事を口裂け女だって言う。少し調べたら口裂け女ってのは都市伝説である妖怪?だって知った。
なんか私と似てるなと思ったから口裂けさんって名乗るようにした。
え?お前施設にいたのに家なんか買えるわけないだろ、だって?
あぁ、前に家族揃って全員綺麗な人がいたんだよね、その人達を
殺しちゃってさ。
だからその家はもぬけの殻になった為そこに住んでる。
その時に嘘つきさんとあった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!