高校入って最初の体育祭。
俺達のクラスは1年生のクラス中2位に終わった。
最後のクラス対抗リレーは一番盛り上がるから
配点もその分おおかった。
1位のクラスとの点差は5点。
アンカーの俺がもっと頑張っていたら
1位も夢じゃなかったかもしれない…。
あのバトンを上手く受け取っていたら、
スタートダッシュをもっと速くしていたら、
もっと走り込みをしていたら…。
確かあいつはクラスの…。
なんだ…慰めに来たのか。
俺泣いてたしかっこ悪いところ見せちまった…。
ーパサ
なんだこれ…。
タオルか?
人ってあんなに暖かかったけ…。
こんなに泣いたのはいつぶりだろう。
こんなに暖かい涙を流したのは…。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!