前の話
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ーーーーーおはよー!ーーーーー
あの日だけーーーーー
ーーーーーあの日以降ーーーーー
私たちは変わったんだーーーーー
私、青葉緑山学園3年ーーーーー
「水泳部部長!山宮 紗香!」
私のショートカットをいじっている小さい頃からの幼馴染み
「おはよ……なにしてんの?あほ紗香。」
こいつはそう……
「おはよ!みかげ!今日も眠そうにしてるね!!」
同じ水泳部で副部長をしている三澤みかげ。
ぴょんっと跳ねているあほげを治すのがわたしの役目。
小学校の頃から一緒で家も近い。
だからずっとこうやって登校したりすることが多かった。
でも最近……
「おはよ!みかげ!待たせてごめんな?」
そうなんと……
「ぜんぜーん♪紗香と話してたからまってないよ!」
そうみかげには彼氏ができた。
みかげの隣はわたしだけのものだったはずなのに。。
っていうのは嘘。
でも少しわたしとしては面白くない。
なぜだろう……
わかんない。
わかんないけど悲しいのかな。
寂しいのかな。
みかげが彼氏と一緒にいると胸がきゅんとして痛い。
なんでだろう……
いつから?
いつからこんなに……みかげが大切になったんだろう。
「あ!わたし先行くね!!ごゆっくり!!」
胸がいたくてこの場からいなくなりたくて……
無意識に学校に走った。
後ろでなんで?いつもみたいに一緒にいればいいのに。とみかげの声が聞こえたような気がする。
ダメな気がする、
一緒にいたら……
わたしが泣きそうになるような気がした……。
ーーーーー結局この気持ちの正体はわからない。でも……ーーーーー
「みかげがいないのはやっぱり……寂しいよ……」
そういって早くついたプールの更衣室で泣きわめいた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!