speaker:『あなた』
あなた『……ん』
目を開けると そこは保健室で、
隣には駿くんが座ってこっちを見ていた。
なんで駿くんが、
なんていう
疑問を口にする間もなく
駿くんは先生を呼んだ。
道枝「あ、せんせーい」
「あなた起きましたー」
保健室の先生💁
「あ、良かったぁー」
💁「はい、ポカリ飲んどきな」
『ありがとうございます』
手渡されたポカリを飲むと
体にすぅーっと広がっていくようだった。
道枝「じゃあ、俺は授業戻ります。」
💁「はーい、ありがとねー」
"ガラガラ"
💁「倒れたのは多分貧血ねー」
💁「ダイエットとかしとるんかな?」
『してないです、』
💁「んー、ほな、ちゃんと夜寝れとる?」
『…寝れて、ない、です』
そんなん、寝れるわけないやん
💁「寝不足も貧血の原因になったりするけんね」
『はい』
『あの、』
『なんで、道枝くんがおったんですか、?』
💁「あなたのこと、
道枝くんが連れてきてくれたんよー?」
え、?
💁「音坂さんを抱えた道枝くん見たとき
何のドラマや思ったわよー😳」
💁「音坂さんが目覚ますまでここにおるって
さっきまで居てたんよ」
そう、なんや
なんで、?
💁「もう体育は戻らんやろ」
「次の授業で今日は終わりやから
そのまま寝ときなさい」
『ありがとうございます』
💁「私この後出張やけん
おらんくなるけど大丈夫やね?」
『大丈夫です』
💁「帰るときは鍵開けっぱでええよー」
『分かりましたー』
💁「ほなね、」
"ガラガラ"
一人っきりの保健室
ベッドの上で目を閉じても
寝られそうにない。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。