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第1話

ボクノネガイゴト
2,418
2017/10/12 09:46




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【ボクノネガイゴト】












私の彼氏は昔から病弱で長期間何度も入院して退院しての繰り返しで二人で過ごす時間なんてそう多く無かった










「ねえ、名前」


『何~?』


「俺少し体調良くなってきて外に出ていいって言われたんだ。久しぶりにデート行かない?」












もちろん私は即答

久しぶりに大好きな彼と外に出掛けられるなんて夢見ているようでしょ?














*








_____デートの当日、悲劇は起こった












『もしもし、』



《ジミンさんの彼女さんですか?》











服装もメイクもバッチリで後は待ち合わせ時間に間に合うように家を出るだけでその時にジミンが入院している病院から一通の電話









看護師さんが口を開いて重そうに発した言葉は一つ一つ衝撃でこれ以上聞いたら倒れてしまいそうな程で私は無我夢中で病院まで走っていった






















『…ジミンっ!!!!』











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『…ジミンっ!!!!』








病室のドアを勢い良く開けるとそこには酸素マスクや沢山の器具が繋がった状態になったジミンの姿










ジミンは奇跡的に助かったらしいけれどまだ目を開けないままで私は大量の涙を流しながら弱々しい手を握りしめた











『助かる見込みは…?』



《助かる見込みはありますけれど…》

















《余命は一ヶ月です》
















その言葉を聞いた瞬間私は全身の力が抜け床に倒れ込んだ。














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余命宣告を受けた私の彼氏はいつこの世界から居なくなってしまうか予測も出来なくただ死の恐怖に襲われながら生きて行くしか無かった









悲劇から3週間が過ぎた頃だった
そろそろ余命宣告を受けて1ヶ月が経とうとしている








ジミンは無事に目を覚まし一命を取り留めた
酸素マスクも沢山の器具も外され車椅子なら外に出たりする事も出来る程回復はしてきた












1日を終えそろそろジミンが眠りに付いてから帰宅しようと考えていた頃だった













「今日は帰っちゃダメっていったら?」



『え、体に気を付けないといけないよ』



「僕の願い事、叶えてほしい」






















ジミンは私の頭に手を置きそっと語りかける













「お前との子供、作ろう」



『え』



「理由は後でわかるはずだから、ね」













ジミンは私をベッドに手招きすると私は思わず上に覆い被さる。するとジミンは私が下にくるように体勢を変え甘いキスを何度も落として来た










実は私達一緒に行為をするのは初めてでもしかしたら最初で最後になってしまうかも知れないと考えると行為中にも思わず涙が溢れだしそうになってしまう









何度も舌を絡めてくるのだから私も生暖かい舌に絡めた












ジミンの手が私の膨らみに触れ撫でるのだから思わず体を逸らし甘い声を控えめに漏らした










「いい?」

『…うん』









パーカーのチャックを下ろし下着の金具を外すと露わになった小さな膨らみ。その先端を口に咥えて口内で掻き乱した








空いた手でスカートの下から侵入させ優しく触れられると余りの気持ち良さに先程より大きい声を漏らす
ここは病室のだと言う事を忘れていたみたい









さらに強い刺激を求めたくなり私はジミンが着ているパジャマのズボン越しから少し大きくなってきたモノに手を添えるとジミンは私の口を塞いだ









「いつまでもズルすぎるよ、本当に」


『ジミンの事大好きだからさ』








ジミンは髪を掻き上げるとズボンを脱ぎ捨てそのまま覆いかぶさる。下着も脱ぐと大きく反りあがり主張したモノを入口に擦りてるとゆっくりと中に入って来た









「初めてだっね、俺たち」


『うんっ、幸せ…ぁ、』








ジミンはゆるゆると腰を動かし良い所を何度も突いてきて理性も徐々に崩れそうになってくる






限界が近付くと腰のスピードを早め奥まで突くと二人一緒に弾け中にドクドクと欲を吐き出した









「幸せ?」


『幸せに決まってるでしょ…?』


「ほら、今日は遅いから。二人で過ごせて最高だった、帰りな」







私は服を着て荷物を纏めジミンにそっとキスを落とすと病室を後にした













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余命宣告を受けてから何ヶ月もたった今日もジミンは元気でこのままずっと一緒に居たい、そう思っていた



何日か経ち朝起きていつも通り病院に向かい病室を開けると周りには医者がジミンを囲っていて涙を流していた








《あっ、ジミンさんのっ!》


「ど、どうしたんですか」









そのまま手を引かれベットの前に連れていかれると声が出なくなった









『ジミン?ど、うしたの』



「…」








ジミンは顔を白くして、息をしていなかった
持っていた荷物は全て床に落ち中身が散乱してしまった









《ジミンさんは先程心肺停止の状態で見つかりました。助ける事が出来ず大変申し訳ございませんでした》















________ああ、やっと今日私のお腹に赤ちゃんが宿ったと報告しようとしたのに。伝えられずジミンの人生は幕を閉じてしまった















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『ありがとう…ございました』







私はジミンを支えて下さった先生方に挨拶をし病院を出ようとした時一人の男の先生に声を掛けられた









「あの、ジミンさんから預かったものが」


『ジミンから…?』













袋を開けると手紙と花が添えられていた












"名前、この手紙を読んだ時には俺はもうこの世界には居ないかな。あの夜子供を作ろうと言ったのはもし俺が死んだらお前は悲しむから二人で幸せに暮らして欲しい、そういう事だったんだ。本当は俺も一緒に暮らしたかったけど笑
あと奥底に箱が入ってるから付けてね。俺も付けてるからさ…、本当に今までありがとう"











読んでいるだけで零れ落ちる涙は弱りきった体で、力を振り絞り書いたと思うと感謝で一杯だった





袋にはまだ箱があって中を開けると私とジミンの名前が書かれた指輪だった










私は薬指に付けると走って病室に戻りジミンの左薬指を見ると同じ指輪がはめて合った















________ジミン、ありがとう









私は涙が止まらなかった











end




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