「えっと…あの。」
「あぁ、俺は久我達也(くが たつや)。君にとっては…叔父かな?」
「え?えぇ?」
「どうしてそんなに驚くの」
「だって、お母さんもお父さんも兄弟は居ないって…」
「なるほどねぇ。俺は、君のおじいちゃんの隠し子的な?」
「隠し子…。どっちのですか?」
「お母さん方だね。」
「そう、ですか…」
おじいちゃんの隠し子…。
なんだか聞いてはいけなかったような気がする。
「で、どうする?くる?来ない?」
「…」
どうしたらいいんだろう。
この人が本当に叔父さんなのかも私にはわからない。
付いて行って誘拐とかになったら…。
あ…。
誘拐されてもされなくても孤独には変わりない。
じゃあ…。
一か八か…
「もう一回言うね?」
「おいで。」
「…はい!」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。