ファミレスを出た後、私の家へ寄りった。
とりあえず必要なものをバックに詰め込み、達也さんの車に乗り込んだ。
車は高級感のある黒い車で、助手席に乗らせてもらう。
達也さんの家は、マンションの一室だった。
ガチャっと鍵を開ける。
「どーぞ」
「お邪魔しまーす。」
と達也さんに続き、一番奥の突き当たりの部屋に入る。
「え…」
「ごめんねぇ、散らかってて。」
「あ、はい…」
大丈夫です。とは言えない…。
なんというか…。
お弁当の食べた後の容器とか、洋服とか、お酒の缶とか、後は書類。
今までどうやって生活してたんだろう。
「あなたちゃん家はいつも夜ご飯何時?」
「えっと、大体6時です」
「おっけー、んじゃあ、すぐそこにスーパーあるから買い出しに…」
と言いかけた時、達也さんの携帯が鳴った。
「はい、久我です。はい。わかりました。すぐ行きます」
と素早く返事をする。
「ごめん、あなたちゃん。今日本当は非番で、ちょっと呼び出されたから言ってくる!」
「鍵のスペアは玄関に置いてあるから!あとは、テキトーに過ごしてて!」
「今日連れてきたのにこんなんでごめんね、、」
「大丈夫です。行ってらっしゃい!気を付けて。」
「行ってきます!」
となんだかドタバタしていたけど、笑顔で送り出した。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。