カレーを食べ終わり、私はお風呂に入ることにした。
「はぁー、つかれたぁ。」
お風呂に浸かり、やっとゆっくりできる。
今日は色々ありすぎて…。
お葬式があって、達也さんのとこに来て、お掃除したり、お料理したり。
でも…達也さんが「おいで」って言ってくれてよかった。
本当に…よかった。
お風呂から出ると、達也さんはソファに座り、テレビを見ながら飲んでいた。
私が出て来たことに気づくと、
「今日はお疲れ様。明日学校だろ?」
「ありがとうございます。はい、学校です。」
「お父さん、お母さんが亡くなってから学校行ったの?」
「行って無いです。ちょっと忙しすぎて…。」
「じゃあ、明日は?」
「えっと、行けるなら、行きたい。です。」
忙しくて、もう行けなかった。
でも、早く親友の美紅(みく)に会いたかった。
「じゃあ行こう。明日俺も一緒に行って良い?」
「え?」
どうゆうこと??
「一緒に?」
「うん。」
「え?学校に?」
「うん。」
「だって、学校に色々言っておいた方が良いだろうし、それに書類とかもあるだろうし。」
「あ、そうですよね。わかりました。」
言い終えたあと、ふと思い出してバックを漁った。
「あの、これ、親が私のためにお金を貯めていたらしくて、」
「これ、使ってください。」
と私の名前が入っている通帳を差し出した。
「いらないよ。それはあなたちゃんが使いなよ。」
「え、でも、これから一緒に暮らさせてもらうのに…」
何もしないで居候なんて…
「んー、じゃあさ、ご飯作ったり、お掃除したり、家事をしてもらってもいいかな?」
「そしたら、いい?」
それなら…まぁ良いのかな?
うーん、
「わかりました。ありがとうございます!」
「いいんだよ。その代わり、そのお金は大切に使うんだよ?」
「はい!」
「じゃあそろそろ寝ようか。」
もう11時になっていた。
「あなたちゃんは、俺のヘッド使って。俺はソファで寝るから。」
「え!良いです!私がソファで寝ます!」
「そんなこと言わないの、女の子をソファで寝かせるわけには行かないでしょ?」
「いいえ!ダメです!達也さんは大切なお仕事があるんですから!」
「いや、明日はお休みだから」
「明日がお休みだからって、絶対明日もソファで寝るって言いますよね??」
「それは…。」
「だから私がソファで寝ます!」
「いや、俺が寝る」
もういいや!
「じゃあ、一緒に寝ましょう!」
「え?」
不意をつかれたような驚いたような顔をした。
「一緒に寝れば済むじゃ無いですか!」
「いやぁ、そうだけどさぁ、」
「じゃあ私はソファで寝ます。」
「…。わかった。一緒に寝よう。」
達也さんの部屋は、洗面所の前の部屋だった。
寝る準備をしてベッドに入る。
「明日は何時に起きる?」
「うーんと、お弁当も作らないといけないので、私は6時で、」
「ok」
というと、目覚ましをセットしてくれた。
「じゃあおやすみ」
「お休みなさい」
と目をつぶったものの…
心の中は叫んでる!!!
うわわわわわわわわわ
どうしよう。
男の人と寝るなんて、
なんあうわわわわわわ!
もう寝れないよぉ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。