クラスに入ると、みんなが一斉にこちらを見て来た。
あいちゃんが言ったのかな?
とおもいつつ席に着く。
「あなた!」
と急に名前を呼ばれた。
「あ、美紅!全然連絡しなくてごめんね〜」
と、美紅に会えた嬉しさを隠しきれずに笑顔で言った。
すると、
「いや、なんか、変わった?」
「え?」
と言ったところでチャイムが鳴ってしまった。
美紅とは席が近い。
私の前が美紅。
「はい、じゃあ日直さんお願いしまーす!」
とあいちゃんが言う。
そしてしばらくしたあと、
「今日は先生達が主張なので、午前授業になります。」
え!うそ、お弁当つくってきちゃったよー、
「あ、でも、お弁当ありよ。みんなちゃんと持ってきた?」
私はあいちゃんに心を読まれたみたい。
すると、美紅が付箋を私の机に貼った。
見てみると、
[今日、午後空いてる? いっぱい話したい!]
と書いてあった。
私も美紅と話したかった。
[うん!いいよ!私も話したい!!]
と書き、美紅に返した。
ホームルームが終わり、みんながみんな次々に立ち上がる。
すると、啓太が近づいてきた。
啓太は小学校からずっと同じ。
美紅は幼稚園からの幼馴染&親友だ。
「あなた。大丈夫か?話は美紅から聞いた。」
「うん、大丈夫!啓太にはもうちょっとしたら言うね?」
「何をだ?」
「内緒、美紅には今日言うから!」
「美紅に言うなら教えろよー」
「だめ〜、一回親友に言って、反応とか、色々落ち着かせたいの〜」
「俺も親友だろ!?」
「え、ごめん。親友って思った事、一度もないわ。」
「なんだよ!冗談だよ!ちゃんと乗れよ〜。俺一人だけ恥ずいわ」
あははっと三人で笑いあう。
良かった。ちゃんと笑えてる。
2人共死んじゃった時に、学校に行ったらもう心からなんて笑えないかな?
なんて考えてた。
でも、達也さんが「おいで」って言ってくれた時から
私の世界は変わったんだ。って思ってる。
達也さん、ありがとう。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。