第25話

飲み会 3
1,107
2017/10/18 13:21
「よろしくお願いします。」

と挨拶を終えた後、私は気になった、『ねこちゃん』の事について聞いて見た。


「あの、さっきみなさんが言っていたねこちゃんって何なんですか??」

すると、松本さんが「あぁ、」と言い、話してくれた。

「ここに猫はいるの?」

「居ないと思います。ここにきて、一度も見てないので。」

テレビの音と私の声が混ざる。

「じゃあ、いつからここに来てるの?」

「1週間とちょっと前です。」

「やっぱりね、」

と納得したように言う。

「あの、どう言う事ですか??」

「んーと、簡単に言うと君は猫ちゃんなんだ。」

「えーと、ちょっと意味が…」

と私がよく分からないでいると、次に清水さんが話してくれた。

「そうだよね、」

「実はね、ここ最近、達也の様子が少し変わったな。と思ったんだよ。」

「あ、それはもちろん 良い意味でね?」

「なんか、いつもより明るかったり、食事担当を嫌がってたのにそれも無くなったし。」

「あと、携帯を時々みて、何かチェックしてるようだったり。」

それを言い終わったあと、村田さんが言う。

「あ!それから、仕事が終わったらすぐ帰るとこ!」

すると、みんなが「あ〜。」と納得してた。

「それで、何かあったのか?って俺が聞いたら、猫を飼い始めた。って言ってたんだよ」

とまた、松本さんが話した。

「だからか!って最近様子が変わった理由が分かったんだけど…」

みんなの視線が私に集まる。

「え?」

それで私が猫ちゃんなの!?

「君が猫ちゃんだったようだね」

と、九条さんが微笑みながら言った。

なんだかすごく恥ずかしかった。

「そう…なんですかね?」

「そうだよ」

と続けて九条さん。

「達也は“猫ちゃん”の事を大事にしてた。」

「だから、あなたちゃんの事がよっぽど大事なんだろうね。」

と達也さんのお父さんのような顔で言う。

今度は嬉しかった。

そんなに達也さんが私を大事にしてくれてたなんて思ってもみなかった。

「みなさん、話してくれてありがとうございます!」

と笑顔で言うと、

「いーえ」

と返してくれた。

その後も、達也さんの事をたくさん教えてくれた。

お酒のおつまみや、お代わりも出して、みんな酔っ払っているようだった。





ガチャとリビングのドアが開いた音がして私は起きた。

はっ!

ドアの方を見ると達也さんが立っていた。

「あ…、ごめん。起こしちゃった?」

と周りを見て目を丸くしていた。

「みんな寝ちゃったんだ…。」

と申し訳なさそうに小さな声で言う。

実は、飲んで行く中で、みんな次々と寝てしまったのだ。

時計を見るともう6時過ぎだった。

「はい、でも、今日お仕事でしたよね?」

「ごめんなさい、その事忘れてて、梅酒を勧めちゃって…」

本当にうっかりしていた。

二日酔いとかだと、仕事に支障が出るかもしれないのに…。

「大丈夫だよ。それでみんな寝ちゃったんだね、」

「はい、1,2時くらいだったので、今から起こしてタクシーとかで帰って、

お風呂に入って…となるとちょっとキツイかと思って、そのままにしておきました。」

今はもうすぐ夏。と言う時期なので風邪は引かないだろうと思った。

「そうだね、迷惑かけてごめんね。あと、ありがとう。あなたちゃん」

「いーえ、大丈夫です」

あっ、っと気づいたように言った。

「ところであなたちゃんは昨日何時に寝たの?」

「あ、えっと…」

達也さんは鋭いなぁ。

みんなが寝たあと、グラスや食器を片して寝たから…きっと2:30か3:00くらいだと思う。

きっと片付けをしてあるから遅く寝たんじゃないかと思ったんだと思う。

でも、それを言ったらまた『ごめんね。』と言われそうな気がしたので、

「私もみなさんが寝たあとすぐ寝ちゃったので、」

と見え見えな嘘をついた。

「そう?」

と心配そうに私を見つめる。

「はい。あ、そうだ。」

と話題をすかさず変える。

私はすぐボロが出るから、、

「ん?」

「達也さんは二日酔い大丈夫ですか??」

「うん、多分大丈夫!」

「そうですか、よかったです!」

と笑った。


「昨日何を話してたの?」

と聞かれたので

「内緒です!」

とイタズラに笑った。

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