第34話

アモーレ 3
1,023
2017/10/21 13:54
ピピピッピピピッピピピッ

「うーっ!」

伸びをして起き上がり、

茜ちゃんも続いて起き上がる。

時計を見ると、6時30分。

「おはよぉ」

とあくびをしながら茜ちゃんが言う。

「おはよう」

「私は起きるけど、あなたちゃんは寝てて良いよ?」

「大丈夫!起きて朝ごはん作るから。」

泊めてもらったせめてものお礼。

「おぉ!ありがと、じゃあ私の服貸すから、着替えようか」

「ありがとー!」

茜ちゃんは小柄だから、私にも着れる服があると言う。

着替え終わり、茜ちゃんがメイクをすると言うので、

「じゃあ、ご飯作っとくね。冷蔵庫の物勝手に使って大丈夫かな?」

「うん!名前が書いてない限り大丈夫!」

「分かった。」

やっぱりシェアハウスだから名前が書いてあるものはダメなんだね。


今日は朝食らしく、和食を作った。

お魚に、お味噌汁。卵焼き、ほうれん草のおひたし。

手際よく、一つ一つ作っていく。

「そういえばお弁当は…」

いるのかな?

でもわからないからいっか。

と思った所で気がついた。

「あぁ!」

うそ!今日金曜日だ!

「どうしたの?」

ちょうど来た茜ちゃんに声をかけられた。

「今日、金曜日…。」

「うん、そうだよ?」

「私、学校ある…」

「あぁ!」

茜ちゃんも私と同じ反応をした。

どうしよう。

そういえば、達也さんの事を美紅に言ってない。

今から急いで家に帰って、着替えれば間に合うかもしれないけど…。

でも、今日も達也さんに会いたい…。

うーん。と2人で悩んでいると、清水さんが起きて来た。

「おはよう」

「あ、おはようございます。」

「何かあったの?あぁ!って言ってなかった?」

「あのね、」

と茜ちゃんが説明しようとした時、私は、

「今日はおやすみしますっ!」

「なにを?」

清水さんが言う。

「学校をです!」

「あぁ、今日は金曜日か。うん。良いんじゃ無いかな?」

と、意外とすんなり言ってくれた。

「うん、私も良いと思うよ?」

「はい、じゃあ連絡して来ます。」

とその場を後にして、茜ちゃんの部屋へスマホを取りに行く。

まずは、あいちゃん。

『今日は学校おやすみします。事情は落ち着いたら話します。

とりあえず、風邪で休んでる事にしておいてください。お願いします。』

次に美紅。

『美紅!ごめん、今日学校休むね。ちょっと色々あって…。学校終わったら電話する!

その時ちゃんと話すから!ごめんね。』

とそれぞれLINEをする。

すると、あいちゃんから返事が来た。

『わかりました。でも、危ない事とかはしないでよ?』

『うん、大丈夫。ありがとう。』

と返事をする。

美紅はまだ来ない。

ポケットの中にスマホを入れて、リビングへ戻った。

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