第51話

達也さん、好きです
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2017/10/28 10:08
「えっ…」

ほら、

やっぱり達也さんはそう言われたら困るでしょう?

「好き。私、達也さんの事がす…」


え…。


何が起こって…。


私は腕を引っ張られ、達也さんにキスされた。


お互いの顔が離れる。


「達也さんっ」


再びキスをされた。


今度はさっきより長かった。


「達也さん、なんでっ…」


「俺もあなたちゃんの事が好きだから。」


目をしっかり見て言ってくれた。


「嘘…」


嬉しすぎて涙が止まらない。


「でもっ」


「あなたちゃんは、家族だからだめって言うんでしょ?」

うん。と私は頷く。

そして、達也さんは優しく抱きしめてくれた。

「ずっと隠しててごめんね。実は俺、あなたちゃんの叔父でもなんでもない。」

「本当は赤の他人なんだ」

「え…?」

どうゆう…

「あなたちゃんのお父さん。慎太郎さんはじいちゃんの部下だったんだ。」

「先生の…?」

「うん。じいちゃんは医院長だし、よく病院へ連れていかれてたんだ。」

「その時、慎太郎さんがいて、よく話をしてたんだ。だから俺は慎太郎さんの事を尊敬してる」

「ここしばらく会えてなかったんだけど、交通事故で亡くなった。って聞いて…」

「お葬式に行ったんだ。その時見たのが、あなたちゃん。」

「俺の親が、死んだ時の俺に似ていた。親が死んでもまだ受け入れられない。」

「どこか一点を見つめて、じっとそこから動かない。そんなあなたちゃんをみて、」

「俺は決めた。あなたちゃんと一緒に暮らそうと。」


「そうだったんですか…」


「それから暮らしたは良いものの、どんどん君のことが好きになって行った。」

「私もです。」


私達は手を緩め、私は達也さんを見上げ、達也さんは私を見下ろし、見つめ合った。


うふふっとふたりで笑い、おでこをコツンする。


幸せ。


達也さん、好きです!


「じゃあ、とりあえず帰ろうか。帰ったら、ゆっくり話そう。」

「はい!」


私達は手をつなぎ、幸せな気分のまま家へ帰った。

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