第10話

2回目の勉強会【瑛莉菜side】
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2017/11/07 07:05
今日の勉強会場がすずの家ということで、1度家に帰った。


だって、制服のままで1日を過ごすのも…ね。



そう思って着替えたのは、淡い色のギャラクシーが数字のとこにプリントされている白のトレーナーに、細身のジーパン。

瑛莉菜
(…そういえばお母さん今日は泊まりだって言ってたな。…今日はテキトーに済ませるか。)
出張が多い両親。でも泊まり込みも多い。


そういう時は12歳離れている兄がいることが多いけど、生憎兄もニューヨークにある支社で働いている。



と、ゆーわけで今は完全に1人というわけなのだ。










涼莉
…瑛莉菜さん。とっとと家に入ってくれませんか!?
瑛莉菜
!!え、すず?!……あ。
いろんなことを考えながら自転車をこいでいたら、すずの家の前に着いていた。

すず曰く、私が着く五分前から家の前に立っていたそうで…。
瑛莉菜
すず、ごめん…。
涼莉
いいから、とにかく入った入った!
すずに背中を押されながらも家の中に入った。



すずの家は3階建てで4LDKの一軒家。…要するに、めちゃめちゃ広い。マンションに住む私からすれば、すずの家は憧れそのものだ。
朔斗
あ、瑛莉菜ちゃんだ!
いちばん広いリビングまで背中を押され続けた私。入った途端、荻田君に声をかけられた。
瑛莉菜
こんにちは。勉強は………、って聞くまでもないね。
教材を積み上げて、ノートを閉じている……つまり、勉強をしていないということ。



本当に凛征に行きたいのかと疑ってしまう程の有様だ。
雷斗
皆やろうにも、問題が難しすぎて解けないんだよ。塾の課題も凛征に合わせて作られてるからかなり難しいし。

それに解説あっても、説明が難しすぎて余計にわからないしね。
瑛莉菜
うーん……。とりあえず、課題から終わらせよっか。
すずから受け取った課題を見てみると、二次関数の応用問題だった。

こういう問題は、出来なきゃ凛征で過ごすのは結構難しい程需要が高い。
瑛莉菜
…みんな。この問題出来ないと相当やばいよ…。
朔斗
げ……。
雷斗
うそ……。
陽生
は…?
涼莉
マジ…?
??
この問題、一文字も解けない俺…、超やばいじゃん…。
ここは凛征での現実を教えるべきか、言わないでおくべきなのか…。みんなの顔を見たら余計に悩んでしまう…。
瑛莉菜
と、とりあえず解説は明後日までに作ってすずに渡すね。あと、過去問も。

今日は…、過去問で間違えたところを見せてくれない?もう1回解いてもらうところを言うから。
私がそう言うと、すずが今まで解いた問題を渡してきた。

まぁ、すずは問題に直接マークをつけるタイプだからかなり有難い。
瑛莉菜
……数学は全体的に空間図形で点を落としてるから、そこを重点的に。後は確率ね。


国語は漢字で、理科は細胞の名前と場所をちゃんと一致させる事。あと、生物も。


社会は…、近代からのをちゃんと覚えて。
にしても2年の時に確率を教えたのに、未だに間違えるとか…。相当苦手なんだな。
涼莉
…むー。嫌いなとこばっかじゃん…。
文句を言うすずを無視して、村田君のを見てみる。
瑛莉菜
…数学は、ケアレスミスが目立つね。公式とか間違えてるわけじゃないから、落ち着いて。他は…、水問題かな。


理科と社会は特にないけど、国語は古文の基礎がなってないね。テキストからやり直してみて。
陽生
了解。

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