キーンコーンカーンコーン
四時間目終了のチャイム。
今日はどうしても頭が回らない。
昨日の“あれ”のせいで。
倒れ込むように机に突っ伏した。
誰にも聞こえない声で小さくつぶやく。
昨日私は、五十嵐くんに告白された。
まさかされるなんて思ってなくて、本当にびっくりした。
心配そうにのぞきこんできた。
私は、由良に相談することにした。
自分からこういうのを話すのはとても恥ずかしい。
顔が暑くなっているのもわかる。
と、知っていたかのように言う。
五十嵐くんはすごくいい子な後輩。
それしか考えたこと無かった。
だから今まで通り普通に話せる自信がない。
さすが由良。私のことちゃんと分かってくれてる。
たしかに私は五十嵐くんを意識したことなかった、
ただの後輩。でも、五十嵐くんはそれが嫌で_?
五十嵐くんは、勇気を出して言ってくれたのかもしれない。
だったら私もちゃんとしなきゃ_
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!