第11話

彼の声 彼女の声
9,138
2017/10/24 11:06
シルクの声だ…
あなた

シルク!! 助けて!!

シルク
くそっ、倉庫かよ。
ガシャンッ
シルク
鍵されてんのか…!
あなた

シルク、助けて、たすけて…

シルク
今、鍵もらってくっから、まってろ!
あなた

ん…




私の体力と精神は限界に達していた。


長時間この暗い空間にいたこと。
いじめのこと。


もう…。
シルク
今開けるから!
ガチャンっ
シルク
あなた!!
あなた

…し、るく

あなた

シルク、シルク…!


私はシルクに抱きついた。

そして泣いた。

もう限界だった。
シルク
何があったか、話せるか?


ここで、気付く。

シルクにまた迷惑かけたこと。

ごめんなさい。と心の中で思った。
あなた

だい、じょぶ。

シルク
は?
あなた

あの、あの、倉庫の片付けしてたら、いつの間にか閉められてたみたい!

シルク
お前、何言ってんの?
あなた

そう、それだ、け…シルク?

シルク
俺はあなたが辛いなら助けてやりたい。
シルク
俺はあなたが俺を頼ってくれたり、頑張りすぎないことが一番いいと思ってる。
シルク
だから、迷惑じゃないし、話せるなら話して?
あなた

…シルク

シルク
大丈夫。俺は見捨てたりしないから。
あなた

あの、ね…



私はこれまでの辛かったいじめについて全部話した。


途中、この話をすることですら辛かった。苦しかった。それでもシルクは
シルク
ゆっくりでいいから。
って、最後まで聞いてくれた。
あなた

シルクに迷惑かけたくな、い、…って、思って。

あなた

くるし、かった。
あたし、は、いらなっ…いらない、存在なんだ、って



私が思ってることを口にすると
シルク
そんなことないよ。
俺はあなたを必要としてるから。
シルク
辛かったな。苦しかったよな。
ごめんな、気付いてやれなくて。








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シルクside



あなたが泣きながら頑張って話してくれてるんだ。

怒りを抑えろ。



一番そばにいたのに、気づいてやれなかった。





あの時、ちゃんと聞けばよかった。


もっと早く気づいてれば…





俺はあなたの気持ちを聞き、耐えきれず、抱きしめた。
シルク
ほんと、早く気づいてやれなくて、ごめん。






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シルクが抱きしめてくれた。
それがとても安心して。



どこにも行かないで…

そう願った。
シルク
ほんと、早く気づいてやれなくて、ごめん。


私はその言葉を聞き、もっと泣いた。
あなた

ちがう、の…ごめ、ね

泣き疲れ、ぐったりした私に
シルク
先生のところに行こう。


そう言われ、シルクに抱き抱えられ、先生の元へ向かった。

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