前の話
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私がペットのチワワと、河原を散歩していると、友達のユーラを見つけて話しかけた。
鮮やかな緑の芝生のカーペットの上に寝転がっているユーラの隣に、チワワと共に私も寝転んで、空を流れる雲を眺めて、話を聞いた。
チワワを撫でながらユーラは語った
そう言ったユーラは撫でていたチワワを私に預けて起き上がり、いきなり川に向かって叫んだ
大きな声で叫んだユーラのことを、私のように散歩にきた人が笑いながら、ユーラを見ている。ユーラはキョトンとした顔で私を見るけれど、一緒にいる私は赤くなった顔を隠すように頬に手を当てた。
手を振って走って帰っていくユーラに見えなくなるまで手を振り続けて、私も家にチワワと一緒に帰った。
家に帰り、自分の部屋でのんびりと絵を描いていると、私のポケットに入れてあった携帯電話に電話がかかってきた。
電話の先のユーラはとても嬉しそうに話していた。顔と名前を思い出せない、夢の中の人は、ユーラにとってどんな人なんだろうか。
お互い、電話をかけたまま、ネットで検索を始めた。
「もう一度 同じ夢を 見る 方法」
電話を切って、私はユーラがいい夢を見ることを祈った。そして夜になって眠った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。