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第5話

4 人 目
〈 貴女は世界一 ,  可愛い 〉


こう言われて成長してきた。

私は 世界一の美少女 だと自分でも思っていた時期はあった。

小さくて綺麗な輪郭に大きな瞳。165㌢という身長で体重が40㌔という細身な体型。

世にいる女性、誰もが羨む顔と体型のはずなのに、私には友達というものがいなかった。

逆に嫌われていた。

可愛い顔なのに、" ブス " と馬鹿にされ、少し男子と話しただけで " 男好き " だと罵られ、鏡の前で前髪チェックをしてただけで " ナルシスト " だと言われた。

だから、私は 自分の顔 が嫌いだった。
コンプレックスだった。


でも、高校2年生になって2日目。
クラスメイトが話しかけてきた。
甘月
私、甘月 桜 ,
可愛いね!名前、何?
初音 杏 !
" 可愛い " と言われた。
" ブス " じゃなくて " 可愛い " って!

凄く嬉しかった。
初めての友達が出来た。


それからの学校生活は楽しかった。
桜は私の顔を可愛いと何度も言ってくれた。
それだけで、コンプレックスだった顔に自信を持てるようになった。



私は桜が大好き ___











___ だったのに。
桜…?
桜は私にカッターナイフを向けてきた。
甘月
痛くないから、
桜は私の制服を切り裂いた。

切り裂くときの桜の顔は笑っていた。
私は恐怖を感じた。





怖い、これが桜なの?





桜は何かに呪われているかのようだった。




1ヶ月が過ぎた頃からだろうか、桜が元に戻ったのは。



私の心と身体は1ヶ月間でズタズタに傷ついた。棘が刺さっているかのように痛かった。









─── 楽になりたい。










ふと、思った。
甘月
杏!
謝るから!
杏に許してもらえるまで何度も謝るから!
お願い、やめて!


屋上の、四角い手すりの上でつま先立ちをする。
今なら空を飛べそう、そんな事を思った。

後ろから桜の叫び声が聞こえた。
何を謝るの?
桜は私に自信をくれた。
それと、傷も。
桜は一生治らない傷をくれた。
だからね、治して来ようと思って。


私は笑った。

桜が可愛いって言ってくれた顔で生きてきた中で1番の笑みを桜にプレゼントした。

バイバイ、行ってくるね。
大好きだったよ、桜






















_____ 私は空を舞った。