第7話

誰なの?…えっ…
1,286
2017/10/23 18:05
暫く有岡からLINEが帰ってこないままでずっとスマホの
画面を見ながら待っていた。
待って居ると向こうから1人の背の小さい男がこちらに向かい
歩いてきた。
その男の顔を良く見ると有岡の顔にも見えた。

「誰?…伊野尾さん?…」

と問いかけても返事がない。
諦めかけて有岡からのLINEを待とうとしたその時、

?「あなた、こんな所に居たんだ…」
「大貴?…大貴なの?」
?「そうだよ、大貴だよ」

声、顔すべて有岡だった。
あなたは有岡だと思い込んで有岡に飛びついた。

「良かった!大貴!助けに来てくれたの?」
?「──ははっ、なんてね」
「へ?」

ぼんっと音がなり煙がでた。
煙がおさまり顔を除くと伊野尾だった。

「伊野尾さん…」
伊野尾「──騙された?僕以外にセンスあるでしょ!
それよりもう夜だよ?一緒に寝よ?」
「…」

あなたは黙り込み思わず伊野尾に手を挙げた。
手を挙げた後、あなたはやりきった顔をしていたが、
後々考えてみれば此処は奴隷の國。
指示された事以外はしたら駄目。
指示されていないことをすれば……

伊野尾「──指示されてない事したね…もう一緒帰れなく
なるよ?いいの?…ってかキミはもう帰れない」
「え……」
伊野尾「──今、キミはここに来て1年たった…後11年
頑張ってくれる?…」
「えっ…一生帰れないんじゃないんですか?…」
伊野尾「──キミだけ特別!」
「伊野尾さん……!」

あなたは声を上げ泣いた。
その泣き方は有岡にも見せた事がない泣き方だった。

プリ小説オーディオドラマ