前の話
一覧へ
次の話

第1話

第1話
124
2017/10/14 04:02
どうして、あなたにパパがいないの?

それはね…













ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あなた

おはよー

くるみ
おはよーあなた。
今日も、ギリギリじゃん。
あなた

仕方ないでしょ。
私は、くるみと違って家事をしてるの。

くるみ
そっか、お母さんだけだもんね…
あなた

…うん

私は、小さいときに父を亡くした。
理由を母に何度も聞いたけど、ちゃんとした理由は聞いていなかった。ただ、母は私を育てるために、たくさん働き、ほとんど家にいない。だから、私も、母には反抗しないし、ご飯も選択も自分でしている。おかげでいつも学校にはギリギリで着くのだ。でも、私には友達がいる。くるみは、いつも私の味方をしてくれる。それと、あと二人自分の幼なじみがいる。田畑友紀と篠田奨哉だ。いつも、私たちは四人でいる。



友紀
おはよ!ガールズ!
奨哉
おはよ!
あなた

ん?なんか変な薬でも飲んだの?

友紀
そんなこと言うなよ。
俺がお前らの理想の男だろ。
くるみ
それはないわ。
あんたが理想だったら、この世界の
男子大抵かっこよく見えるわ!
奨哉
まあまあ、落ち着け二人とも。
こうなると、いつもくるみと友紀は言い合いになる。
そして、それは長い間続く。だから、こうして早めに止めておかないと、後々面倒くさい。
友紀
あ、そういえば、俺やりたいことあるんだよ。
あなた

何?

友紀
あなたのお父さんについて。
あなた

はっ?何言ってんの?
私のお父さんはもういないんだよ。

くるみ
ちょっと、あんた、無神経にもほどがあるよ!
友紀
違うよ!なんかな、俺の家のポストに、こんな手紙が入ってんだよ。
そう、言いながら、友紀は封筒を出した。
そこには
 「わたしは、小森直樹の死について知っている。
  知りたければ、10月の最後の金曜日、夜の七時に
 学校の前に集合しろ。」

くるみ
何よ!これ!
くるみ
あんたが勝手に作ったんでしょ!
友紀
違うよ!本当に俺の家のポストに入ってたんだ!
あなた

ちょっと、やめてよ。
こんなのただのデタラメなんだし、こんなことで揉めないで!

くるみ
ごめん、あなた
友紀
ごめんな、あなた
奨哉
僕は、これが気になるよ。
あなたのお父さんについて何か知っているんだろ。
会う価値はあると思う。
あなた

でも、みんなには関係ないし…

くるみ
関係あるよ。わたしたちはただの他人なの?
くるみ
誰かが困れば助け合うのが私たちでしょ。
誰かにトラブルがあれば助けるのが、私たちよ。
奨哉
そうだよ。それにあなたも、お父さんについてそこまで知らないんだろ。この際、お父さんについて何か、情報を得られるかもしれない。
あなた

わかった。行くよ。
けど、この差出人は?

友紀
それが、どこにも名前が書いてないんだ。
奨哉
つまり、どこの誰かもわからないってことか…
おい、早く座れ!HRの時間だぞ!
矢野先生の声が響いた。みんなが席についたところでしゃべること何もないのに、なんて思いながら、自分の席に向かう。


父はどんな人だったんだろうか。
私は、奨哉が言った通り父についてほとんど覚えていない。知っているのは、父が家事で死んだこと。
でも、場所も知らない。教えてくれなかったのだ。
でも、これで知ることが出来るのかな。


いつのまにか、記憶を失っていた。

プリ小説オーディオドラマ