どうして、あなたにパパがいないの?
それはね…
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私は、小さいときに父を亡くした。
理由を母に何度も聞いたけど、ちゃんとした理由は聞いていなかった。ただ、母は私を育てるために、たくさん働き、ほとんど家にいない。だから、私も、母には反抗しないし、ご飯も選択も自分でしている。おかげでいつも学校にはギリギリで着くのだ。でも、私には友達がいる。くるみは、いつも私の味方をしてくれる。それと、あと二人自分の幼なじみがいる。田畑友紀と篠田奨哉だ。いつも、私たちは四人でいる。
こうなると、いつもくるみと友紀は言い合いになる。
そして、それは長い間続く。だから、こうして早めに止めておかないと、後々面倒くさい。
そう、言いながら、友紀は封筒を出した。
そこには
「わたしは、小森直樹の死について知っている。
知りたければ、10月の最後の金曜日、夜の七時に
学校の前に集合しろ。」
おい、早く座れ!HRの時間だぞ!
矢野先生の声が響いた。みんなが席についたところでしゃべること何もないのに、なんて思いながら、自分の席に向かう。
父はどんな人だったんだろうか。
私は、奨哉が言った通り父についてほとんど覚えていない。知っているのは、父が家事で死んだこと。
でも、場所も知らない。教えてくれなかったのだ。
でも、これで知ることが出来るのかな。
いつのまにか、記憶を失っていた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。