第3話

第3話
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2017/10/22 14:21
あぁ、昨日あんなこと言っちゃったから、教室に入ったらどんな目で見られることか…
あなた

おはよう

クラスのみんな
…おはよう
やっぱり、梨華に言われたのか…
くるみ
おはよ!あなた
そんなに落ち込まないの。
あなた

くるみ

あなた

私、やっぱりみんなに

くるみ
そんなことない。
あなたは悪くないし、私がいるんだから。
あなた

ありがとう、くるみ

奨哉
おはよう!
くるみ
うるさい!
声でかすぎなんだけど
奨哉
そんなことよりいよいよ明日だぞ。
あなた

楽しみなの?

奨哉
うん、結構楽しみにしてる。
あなた

ふーん…

くるみ
どうしたの?
あなた

なんかね、昨日、お母さんにこの事話したの。
そしたら、そんなのろくなことにならないって言われて。

奨哉
何でそんなことを?
あなた

分からないけど、この事に私に首を突っ込んでほしくないような気がした。

くるみ
で、どうする気?
くるみ
お母さんの言いなりになるのか、本当のこと知るのか?
あなた

別に反抗したい訳じゃないけど、本当のこと知りたい。

あなた

私ね、お父さんからの手紙持ってたの。

あなた

いつだったかな、お父さんがなくなって何年かたった頃に、私がお父さんの使ってた部屋を使うことなったの。

あなた

で、壁紙を張り替えたくて剥がしてたら、その間から手紙が出てきたの。

くるみ
何で、手紙なんか
あなた

私にも分からないけど、書いてあったことが印象に残ってる。

奨哉
何て書いてあったんだ?
あなた

あなたへ

友紀
おはよう!
くるみ
ちょっと、あんた来るの遅いし、今いい所なの。
友紀
いや、遅いのは謝るけど、これを見てくれよ。
そうして、友紀は封筒を出した。
それは、前見た封筒とは違う封筒だった。
それは、あなたに見覚えがあった。
あなた

あ!
これお父さんからの手紙だよ。

くるみ
えっ、何であんたが持ってんの?
友紀
俺の家のポストに入ってたんだ。
奨哉
中を見てもいいか?
あなた

うん

あなたへ
今、あなたは何をしているのかな?
これを今、あなたが読んでいると言うことは、
きっと私は今この世にいないんだろう。
お前には苦労を掛けているかもしれないな。
この手紙もそんなに大きくはないから、
私が本当に伝えたいことを書くとしよう。

信じる道を生きなさい。
いつでも、何があっても真実は勝つ。
真実とは、美しく、恐ろしいものだ。
だから、逃げる者も大勢いる。
でも、あなたには、正しい道を歩いてほしい。
たとえ、どんなに困難だろうと
誤った道に進まないように。
ただし、誤った道に行っても、
心を入れ換えれば正しい道に戻ることはできる。
くるみ
えっ、これあなたが何歳のときの話?
あなた

分からないけど、私のお父さんが亡くなったのは、私が3才のとき。

奨哉
こんなの、3才のやつに残す手紙じゃないな。
くるみ
なんか、遺言書にも見えるよ。
あなた

ねぇ、もっと人がいない場所で話しよ。
みんな、聞き耳たててるから。

友紀
そうだな。
よし、一旦中断だ。
あの手紙は久しぶりに見た、私が見つけて母に持っていくと、母の顔が急に強張って私の手から手紙を取り上げた。そして、この手紙は見なかったことにしなさいって言われた気がする。何でだろう、とも思ったけれど、そのときの母の顔が怖くて何も反抗できなかった。それ以来、私は母の顔色をうかがいながら生きていることに違いない。だから、梨華に言い訳できなかった。
くるみ
ねぇ、あなた大丈夫?
最近、ずっとあの事考えてるんでしょ。
あなた

うん、だってみんな準備を進めてくれてるし、もとは私の責任だから。

くるみ
あんまり、考えない方がいいよ。
考えすぎると、しんどくなっちゃうでしょ。
あなた

うん、でも明日だよ。
嫌でも考えないと。

くるみ
だからって、ずっと考えるのはおかしい。
関係ないこと考えてて。
くるみ
これは、あなたのためでもあるし、私たちのためでもあるの。
あなた

分かった。
家に帰るまでは、考えない。
嫌でも話題変える。

くるみ
それでよし。

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