第12話

StoryC
169
2017/10/15 11:05
僕は、寝る前に必ずすることがある。
それは日記だ。
この日記は毎日つけている。
〇月〇日
最近、不安に思っていることを書く。
というよりか、自分が情けなくて仕方ないと思うことだ。
僕のクラスには1人悲しみと格闘している子がいる。
大きな哀、沢山の怖。
僕は強がっているあの子の本当の気持ちを知っている。
いつも楽しくなさそうに誰ともコミュニケーションを取らずに、あの子は生きている。あの子は無愛想だと。そう、みんなは思っている。
だが、本当は違う。
彼女は怯えている。怖がっている。悲しんでいる。
それを分かっているのは僕だけなのに、それなのに僕は軋轢に目を瞑ってしまう。
臆病者なのだ。弱虫で勇気がないやつだ。
こんな自分が嫌だ。黙って見ているだけの僕が。


無頓着なあの子が傘をさしたら、それで救われるくらい単純だと思っている彼女のことを助けてやれない僕が。

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