泣きながらグクの名前を呼んだ 。
電話越しに震えながら謝るグクの名前をひたすら呼んだ。
結局午前中は泣き腫らした目で教室に行けるわけもなく屋上でぼーっとサボってしまった。
お昼になると星空が屋上にやってきた。
私は星空にすべてを話した。
星空は私を優しく抱き締めてくれた 、
おみまい..オミマイ..お見舞い..お見舞い!!
星空に言われて気付いた 、お見舞いがある!
慌ててカバンを持って階段を一気に駆け下りて向かう先は大好きな大好きなグクが待つ
あの病院 。グクがどんなに思い病気でも私は笑顔で会う。私は笑顔..私は笑顔..私は笑顔..
呪文のように唱えながら病院に入ってナースさんに部屋を聞くと9階の901号室。
広いエレベーターの中一人で上まで上がるのは怖かった。とうとう病室の前。
ベッドにいるグクを見ると涙が溢れて視界がぼやける。
ベッドから降りて近寄ってくるグク。そっと私を抱き締めて背中をさすってくれた
1年?1年かけて治る病気ってこと?そんなにかかるの?時間?え 、グク…?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!