第63話

番外編2 親友と恩人
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2018/06/29 13:34

これはまだ私が中学生の頃



男子生徒
なぁ聞いたか
あいつの両親って血繋がってないんだって
生徒
は?まじ?
どっちも?
男子生徒
何か父親が精神障害?らしくて自殺したって

違う
生徒
母親は?
男子生徒
その父親の介護のストレスで自殺

違う
生徒
うわ、きも
あいつに近づくと死ぬんじゃね
男子生徒
死神だな

違う


何で嘘のことをそんなにみんな信じるのか


中学生になって一週間もするとそんな噂ばかり流れ始めた


同じ小学校出身の男子が言いふらしたのだ


しかも両親の他界の理由は適当に。


両親が居ないだけで陰口を言われる
女生徒
ねえねえ三橋さんの両親って何で血繋がってないの〜?

わざとらしく笑って面と向かって聞いてくる


周りの生徒もくすくす笑って。
蒼依
……
女生徒
は?無視?
耳ついてんの?

私は無視して廊下に出た


いつものように人気のいない廊下に移動すると私はその場に座り込んだ
蒼依
……疲れた

昼休みなのにここはいつも静か


1人になりたい時はいつもここに来る







蒼依
……寝すぎた……

気づけば空は茜色に染まっている


……いいか、中学生何て義務教育だから何とか進級できるし
蒼依
帰ろう

下駄箱まで行くと私はまた固まった


……靴がない
蒼依
まじか…
ホント絵に描いたようないじめ方だな…

漫画にありそうないじめ方しかできないのかな
女生徒
三橋さーーん
蒼依
……

休み時間に来たまたあの女の子たちだ


今度は人が3人から5人に増えてる
女生徒
ちょっと来てくれる?
蒼依
嫌だけど。
生徒
良いから来なさいよ!!
蒼依
っ!

髪を引っ張られて団体に連れて行かれたところはプールだった


まだ4月だと言うのにもう掃除がしてあり水も入っててきれいになっている


サイドに連れて行かれ膝たちをさせられた


……まさか
女生徒
ホントの両親が居ない疫病神何て要らないよね?


そのまま顔をプールの中に入れられた


耳が篭った感覚


10秒くらい埋められ顔を上げられる
蒼依
っは…!
女生徒
私を無視したお礼


無視しただけでかの仕打ちなのか…
女生徒
じゃあ…ねっ!

それと同時に背中を押され思い切りプールに飛び込んだ
蒼依
っ!!


ドボンッ───────




水の中にいてもあの子達がキャハキャハ笑って出ていった音が聞こえた



上がろう……



そう思ったとき、足がピキッとした瞬間痛くなった



つ、つった………!!!!
なんでこのタイミングでつるの!!マンガか!!!


やばい焦れば焦るほど上に上がらなくて息が苦しくなってきた


このまま溺れて死ぬのかな


お父さんとお母さんに会えるならそれもいいのかな


あーあ。短い人生だったな……



目を閉じた時浅い意識の中で誰かに腕を掴まれ一瞬でプールから顔を出せた
おい
凛佳
…!
三橋さん大丈夫!?


それだけ聞こえて私は目を瞑った



目が覚めると保健室にいて先生に事情を話しあの子達は保護者を呼ばれ転校を余儀なくされた



私とあの子達がプールに行くのを見かけた2人は可笑しいと思い追いかけてきたらしい



それから凛佳と幼なじみくんは私と話してくれるようになった─────






凛佳
蒼依?
どうしたの?
蒼依
ん〜?
何でもないよ〜昔のこと思い出してた
どうせ菓子だろ


貴方たちの事だよ



あのとき、助けてくれなかったら私は死んでいたかもしれない



あのとき、話しかけてくれなかったら1人だったかもしれない




この2人は命の恩人だ



そして…
凛佳
蒼依帰りにアイス食べよう
蒼依
食べる!


大事な、親友──────


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番外編を読んで頂きありがとうございます!

まだ番外編はあと1話書きますので宜しくお願い致します☺


それと新連載『秘密主義な彼に一目惚れしました。』を書いたのでそちらもどうぞ宜しくお願いします…!

風-ふう-

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