2時間目、私は珍しく授業に出た
でも久しぶりすぎてそれはもう勉強についていけない
後で凛佳に教えてもらおう
2時間目が終わって体操着とジャージの入った鞄を持って凛佳の元へ行った
次の時間は体育
確か先生バレーって言ってたっけ
凛佳も鞄を持つと2人で教室を出た、男子は教室で着替えている
そしてまた教室を出ると視線を感じる
後ろを振り向くけど誰もいない
まぁ私が後ろ向いたら相手隠れるよね
更衣室について扉を開けるともう何人か着替えてる最中だった
棚に鞄を入れてブレザーを脱いでいく
Yシャツのボタンを外している時クラスメイトが私の方を向いた
たまに話すクラス委員長の三浦ちゃん
ショートカットで可愛い顔立ちをしている
凛佳の言葉を遮るように言った
凛佳には私が色んな男の人と遊んでると知っている
むしろそれに関して初めて叱ってくれたのが凛佳だ
凛佳ちゃんそこで反応するのね……
まぁいいけどさ
好きになりそうな人で浮かんだのは彰都くんだった
でも私が恋なんてしていいんだろうか
色んな人とヤれる最低なやつだよ、恋をする資格なんてある?
私の事を知ってるから心配をしてくれている
それが嬉しくて凛佳に抱きついた
更衣室を出るときに聞こえた
三浦ちゃんごめん
私のこのお肌が綺麗になったのは多分えっちしてるから…
ケア何て化粧水を塗るだけ
トス練なんて誰もする筈がなく居なくなった途端喋り声で賑やかになった
私は見られてる事を凛佳に話した
男ならドンとこい
男か知らないけど
ポッケから飴を出すと凛佳にバレて怒られた
凛佳は真面目だな〜
早めに解決しておきたいし
授業が終わって自販機に行くと凛佳と幼なじみくんがイチャイチャしはじめて私は先に教室に戻る事にする
渡り廊下を通りきるとまた視線
何か段々私もイライラしてくる
見られるってこんなに気持ち悪ことだっけ
渡り廊下を渡りきった時彰都くんが友達と歩いていた
私が声を掛けると 蒼依先輩だ! と笑顔になった
子犬かな?
隣の友達は私に軽く頭を下げて私もつられて頭を下げた
真っ赤になった腕を見せると彰都くんは自分がまるで味わった痛みかのような顔をした
そんなひ弱じゃないよ
そして何でお友達くんもそれに頷いてるの
すると彰都くんはポッケに手を突っ込んで何かを探している
見つけると握って私に渡してきた
貰ったのはチロルチョコだった
私の好きなストロベリー味
そう言って頭に手を置かれて左右に動かした
年下に頭を撫でられるのも悪い気分にはならない
まさか彰都くんに頭を撫でられるとは……
彰都くんは私が何歳に見えるんだ
お友達くんは おー と返事をすると違う方向に向かった
え、いいのかな…
彰都くんと並んで私の教室に足を向ける
素朴な疑問
普通好きな人の友達だからってここまで優しくしないよね
お、おー…
確かに理由はいらないけど…
なんて言うか、不思議な子だな
何でわかるんだろ
超能力?
彰都くんになら言っていいと思った
何か、安心するから
彰都くんはびっくりした顔で私を見る
流石に限度超えたら私も考えるけど何も被害ないし
通学中も見られている事を言うと何かいい案が思いついたのか私の方を見た
すると あ… と言った
やっぱり…
せっかく言ってくれたんだしお言葉に甘えて
それに連絡すれば相手だっている
話していると教室についた
手を振って教室に入った
一緒に下校をする約束は少し嬉しかった__ 。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。