翌日学校に行くと主に女子たちがザワザワしていた
…あー…そういうことか
ローファーから上履きに履き替えると教室に向かう
近づいて行くにつれてざわつきが増える
教室の扉に人だかりが出来て教室に入れない
ここまで騒ぐかな…?
なんかおかしい…
人を押し退けて教室の中に入ると親友がその幼なじみくんの肩を赤面で叩いている
カバンを机に置くと凛佳の元へ
……?
棒付き飴を口に含めて様子を伺うと凛佳は幼なじみくんを指差した
落ち着いてと言うと自分の席に座る
なるほど、そういうことか
意外と恥ずかしがり屋の凛佳だから知られてほしくなかったのかな
それと逆に幼なじみくんは行動的
何でこんな真逆な2人が付き合い始めたのかな
幼なじみでも意識し始めるのかね〜
顔色1つ変えずに恥ずかしいことを言った幼なじみくんの言葉に凛佳は顔を赤くした
クラスの男子からは バカップルー!! や ヒューヒュー!! と言われ女子は悲鳴をあげている
私が言うとびっくりした顔をした後笑顔になった
本当におめでとう、良かったね
恋が分かって、しかもその相手が小さい頃から隣りに居た幼なじみくん
性格が真逆でもお似合いのカップル
凛佳が幼なじみくんの事でまた悩んだらいつでも話を聞くよ
だから、私の話も聞いてあげて
彰都くんが制服で教室に入ってきた
朝練終わったのかな
彰都くんは凛佳の机に両手をついて何故か顔を凛佳の耳元に近づけて
わざと幼なじみくんに聞こえるように言った
あーあ。
そのまま凛佳は幼なじみに腕を引っ張られ教室を出た
嫉妬ってすごい
諦めようと思ってもまだ諦めきれないんだな
多分彰都くんはまだ凛佳の事が好き
それもそうだよね、簡単に諦めきれない
それは私でも経験した事があるからわかる
意外って何
彰都くんは腹を抱えて笑いだした
彰都くんのツボが分からない……
この子はサッカーのしすぎで頭がおかしくなったのかも知れない
おっ、よかった
凛佳はシャーペン1本しか持ってないからね
かくいう私もシャーペン1本しか持ってなかった
家にはあるんだけど筆箱に入れて持ってくるのを忘れてしまった
見てるだけと思ってたのにとうとう物まで取られるとは…
エスカレートしていかなきゃいいけど
教師って 私は生徒の悩みを真剣に聞いて解決しようとしました とかあとで言ってくるから嫌い
教師も所詮他人
他所の子何てどうでもいいだろう
彰都くんなら相談できる
それから彰都くんはシャーペンを自分の教室まで取りに行って私に貸してくれた
昼休みにでも声掛けるかな…
相談出来る人が増えて内心嬉しかった__ 。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!