6時間目の終わり掃除をサボろうと3年生の教室の前を通ると美玖先輩に名前を呼ばれ足を止めた


隣には朔先輩


この2人いつも一緒だけど付き合ってるのかな


朔先輩からそういうのは聞いたことないけど

少し笑って私の頭をなでた


都合の良いときに呼び合う仲なのに朔先輩は私を妹のように扱う


それの逆で私も朔先輩をたまにお兄ちゃんだったらいいなと思う事がある


お互い兄妹が居ないからだろうか…あ、朔先輩は違うか

私と頬を合わせて抱きついてくる美玖先輩はいい香りがする


美人はいい香りがするんだな〜…

やってる時以外で私を呼び捨てにするのは珍しい

何でわかったんだろう


右手を腰の位置で  あそこ  と言う様に廊下の角を指差した


美玖先輩も私もそこに目を行くとまた誰か見ていた

そっか  と先輩は言った


美玖先輩も私から離れた

そんな申し訳ない


朔先輩朝登校とかできるの？

掃除時間が終わるまでずっと朔先輩と美玖先輩と話しているとストーカーはもう居なくなっていた


廊下が騒がしい所から教室に戻るように朔先輩から言われて3年生の教室を出た


美玖先輩が教室まで送ると言ってくれたけど申し訳ないから断った

教室に戻っていく蒼依ちゃんを見ていった


後ろ姿の蒼依ちゃんも可愛い、小動物みたい。モフモフしたい。

朔の家庭事情を知っている私はびっくりした

朔がこんなにも年下の女の子を気にかけるのは初めて


中学生からの付き合いって言ってたっけ


高校で知り合った私は蒼依ちゃんに何があったか知らない

ごく普通の過程で育った私には分かりきれない程ツラい思いをしたんだろうな

ニヤッ と口角をあげる

違くない


違くないんだよ、ずっと。


朔はいつ私の事を恋愛対象に見てくれるんだろう


はやく気付け鈍感バカ

放課後今日は彰都くんを見てたい気分だから部活を見学しよう


彰都くんの教室まで行くと  先輩さよならー  や  蒼依ちゃんバイバーイ  など1年生が挨拶をしてくる


あまり話したことないのに挨拶したり下の名前で呼んだりコミュニケーション能力高いな…

彰都くんの準備が終わると2人でグラウンドに足を向ける


グラウンドにはもう何人か居た

彰都くんは部室に向かった


グラウンドから少し離れた所にベンチがあってそこに座った


お、ここでもよく見える


でもここ校舎で影ができるから秋は寒いんだよね…


その証拠に周り誰もいないし…


携帯をカバンから取り出して通知を見ると色んな人から来ていたのを無視して彰都くんとのトーク画面を開く


何か好きな人とのトーク画面ってたまに読み返したくなるよね


私だけじゃないはず


お菓子の話だったりTV番組の話だったり色んなのを話している

あ、やばい口元にやける


周りから見たらヤバい人だな


でも話してる事が嬉しくて自然と口角が上がってしまう

サッカーボールに手足が生えたスタンプやお寿司のスタンプを送ってくる


たまに可愛いアニマル的なスタンプもくる

下から顔をのぞき込んできてびっくりした…

名前を呼ぼうとしたけれど彰都くんのユニフォーム姿を見て言葉が詰まった


か、カッコイイ……！！！


間近で見る彰都くんのユニフォーム姿はいつもよりかっこよくみえた


いや、普段もかっこいいけど

え、ホントにレギュラーだったの？！

早くてもレギュラーって2年生からじゃないの？

うお、またまたびっくりした


遠くから彰都くんを呼んでいる

彼の笑顔は太陽みたいだ___