いきなり職員が集まる部屋へ呼ばれ行くと職員から告げられた
蒼依を引き取ってくれる親戚が見つかった
親戚と言っても遠縁だ
即答で答えた
問題児扱いされているこんな所から出たかったから
翌々日、約束の時間になると男女の大人が児童養護施設に来た
20代後半で柚依よりも若かった
ほんとに遠縁かと疑ったが小学生の蒼依にはよく分からなかった
この2人が蒼依の両親代わりになる
これでまた幸せが来る
そう思った蒼依
母親になる女性に手を繋がれ繋ぎ返す
職員に挨拶をすると新しい両親と共に児童養護施設を出た
唯一両親との繋がりだった名字
蒼依にとってそれは繋がりが無くなってしまう事だった
それでも子供で逆らえない
〝三橋 蒼依〟
新しい名前。
帰る途中優しく話しかけてくれる義母と義父
家に着くと以前住んでいた本当の家とは違う外装
とても知らない家
これでまた新しい幸せがくる
そう思った時玄関に入った瞬間繋がられていた手は離れ隣からは何か違う気配がした
思いがけない言葉に玄関で体が固まった
父親になる人もさっきの笑顔は無くなってため息をして自室へ入っていってしまった
いきなり言われた事に蒼依は追いつかなかった
義母は蒼依の荷物を廊下に放り投げる
それだけを言い残しリビングに入っていった
動かない足を無理やり動かし説明された自室に行き扉を開けると机とベッドが用意されているだけのシンプルな部屋
白で統一されている
ベッドに寝転がり目を瞑るとすぐに蒼一と柚依の顔が浮かんだ
大好きな両親
いつの間にか寝ていて起きた蒼依は空腹になっていた
ベッドから降りて1階に行くとリビングからテレビの音が聞こえる
リビングの扉を開けると義母が床に座ってテレビを見ている
話しかけても無視をされる
流石に食べ物はくれると思っていたが予想外の答えに呆然とする
お金は無く何か作ろうと思うにも料理なんて作れなかった
児童養護施設でも食事はくれた
児童養護施設の方がマシだったと思った蒼依
三橋蒼依になった時普通体重だったが低体重に変わった___
※ 過去・小学生編完でも最終回ではありません。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!