朔先輩がストーカーの胸ぐらを掴んでいる
知られたくなかった、孤児院に居たことやそこであった事。
彰都くんや凛佳、幼馴染くんに飽きられまた独りぼっち___
彰都くんは本当に それが? みたいな顔
引かないの…
悩むかと思うと本人はケロッとした顔で
そう言った
その時廊下から足音が聞こえると思うと足音が消え
担任が入ってきた
ストーカーの名前らしく影巳と呼ばれると反応をした
教師が来たのが大きかったのか影巳は焦り出した
影巳が必死に奪い返そうとした袋
朔先輩はそれを担任に渡すと受け取った
担任に向かって手を伸ばしたとき違う教師が教室に入ってきて影巳の動きを止めた
体育の先生だ
他にも教頭や校長がいる
気づかないうちに大事になっていた
暴れようとする影巳をがっちり押さえる先生
先生たちに押さえられながら教室を出ていった
教室が静かになって私荒い呼吸だけが響く
優しい声に優しい笑顔
手を差し伸ばしてくれる
あの日の夜から凛佳に会うまで幸せなんて来なくて凛佳しか助けてくれないと思っていた
でもそれは違う
私を助けてくれる人は他にも沢山いた
幼なじみくんに彰都くん、朔先輩に先生たち
お父さん、お母さん…幸せになってもいいですか
お父さんとお母さんの分も生きて笑って幸せになって私がお婆ちゃんになって亡くなったとき幸せを半分箇にしてまた笑い合おう
私は大好きな人の大きな手を握った
保健室に行くと誰も居なかった
椅子に座ると急に凛佳が抱きしめてきた
凛佳の声は震えていた
なぜかと言うと多分涙を堪えている
両肩を掴んで顔を合わせる
めちゃくちゃ涙を堪えててすこし笑えるのと私まで泣きそうになる
また抱きしめてさっきより強い
凛佳らしくない、でも嬉しい
最初はお菓子なんて好きでもなかったし嫌いでもなかった
でも___
お父さんと食べるお菓子は大好きだった
今はもう完全にお父さんに似てお菓子が大好きになった
ありえないと思ってたポケットに飴もしっかり似た
それはお墓に連れて行けという意味
もちろんだよ
朔先輩が私の頭に手を置く
お兄ちゃんみたいな存在の朔先輩
お父さんとは程遠いけど懐かしい感じがする
こっちの方がいい
保健室を出た朔先輩
あれ。そう言えば今って文化祭準備中だ
三浦ちゃん怒ってるかな
あとから聞いた話、職員室に連れて行かれた影巳は袋から大量の私の隠し撮りと盗聴器、監視カメラ、それに私の私物が出てきた
学校は警察沙汰になると評判を下げないように嘘の報告などするけど私のところは違ったみたい
しっかり警察に連絡して影巳は警察に連れて行かれた
パトカーがきて生徒は大騒ぎ
少し教師やこの学校が好きになった___
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!