付き合って1週間以上経った
11月にもなって本格的に寒くなっただけで特に変わりなく過ごしている
文化祭が終わった1週間くらいは元通りになった教室に彰都くんが居ないことにまだ少し心寂しく感じたけれどそれももう慣れた
でも授業中は相手が体育だったらグラウンドが見える
それが唯一の楽しみ
昼休み人気のない所で彰都くんとベンチに座ってお昼ご飯を食べている
彰都くんはコンビニと売店で買ったパンで私はおにぎり
想像してた答えとまったく違ってびっくりした
というか今日麺の日でもあるんだ、よく知ってるね彰都くん
私は教室に置いてある自分の鞄から持ってきたお菓子を彰都くんに見せた
パッケージには細いチョコ棒の写真
そう、今日は11月11日
付き合って敬語からタメ口にもなって距離も縮まった気がする
恋人同士になって少し憧れてたゲーム
これをするのはバカップルだと思うけどお菓子大好きな私には憧れて
好きなお菓子を好きな人と分け合うって幸せじゃないか
ダメだとわかって少し落ち込む
まぁ、本当はそこまでしたいってわけじゃなくてキスしたい口実
何故か私の彼氏さまは周りをキョロキョロみてる
ちゅっ…
突然のキスに驚きを隠せない
何度違う人として慣れてても彼氏とのキスはいつでもドキドキする
好きな人とするのってこんなに違うんだ
恋人同士になって彰都くんの敬語もタメ口になって新鮮
突然キスしてくるのもそうだしいつも予想を遥かに超えることをしてくる
何でも見透かされてるような気がして恥ずかしい
逆に私は毎日余裕無くてドキドキして緊張もする
その子犬みたいな眼差しは変わってない
知ってるだろうか、私はその子犬のような眼差しに弱いんだ
彼氏限定で
にひっ と効果音が付きそうなくらい歯を見せて笑う彼
ちなみにその笑顔にも弱い
放課後になって今日はサッカー部はお休みでいつもより早い16時半には彰都くんと帰れた
だけど今日は行き場所が違う
彰都くんの家に来た
立派な一軒家で外装もキレイだった
玄関は普通の家より少し広い
いや、てかその前に家自体大きかった
本人は否定しているが普通の人よりは裕福な暮らしをしていることに違いない
初めて彼氏の家に来て緊張するかと思えばそれほどしなかった
こっち と言われリビングへと繋がる扉の前を通り過ぎようとした時リビングの扉が開いた
見覚えのある顔
相手が先に私を思い出したのか あー!! と家の中で叫んでいた
そうだ、彰都くんのお姉さんだ
サッカーの練習にも来ていた
家だからかラフな格好をしている
頭を下げると いい、いい! 頭上げて!! と言われたのであげた
言われたように2階に続く階段に1歩足を踏み出す
はずだった。
またリビングから2人の女の子がきた
年齢は小学生の高学年くらいだろうか
顔が似ている
また1人増える
今度は中学生くらいでショートカットの女の子
1匹増えた
ぞろぞろ人が増えて驚きを隠せない
小学生くらいの子が彰都くんの肩に手をおいて聞いてくる
一斉に声が耳に届いて聖徳太子でもないと聞き取れない
ちゅーはしたよ。それだけ聞こえた
え、いや___
兄弟には少し言葉遣いが荒くなるのと彼の家族構成などまた新しく知れた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。