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第3話

モデル廃棄に注意。
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2017/10/28 05:09
────彼女の手の温もり。
そんな事を697の手を握り乍心の中で想像するも、現実は温かさも冷たさも無いまるで無の感覚。

でも、流石最新モデルと言えるところはある。___之が人工的に作られたロボットだとは思えない程" 人間の皮膚と全く同じ様な手だから "

「───慎也 。」

「…ん?どうした?」

彼女の手を握り乍今の状態に浸っていると彼女の口から自身の名が聞こえ途端に反応する。

「…慎也には、" 友達 " いる?」

" 友達 "【 ともだち 】
勤務、学校あるいは志などを共にしていて、同等の相手として交わっている人。友人。
俺からしては〝 様々な感情を学べる相手 〟時には楽しんだり、嬉しんだり、悲しんだり、怒ったり、嫉妬したり_

「嗚呼、勿論。俺にはいるよ」

そう答えると彼女は何故か悲しそうな表情を露わにした。

ぁ、そうか____彼女が何故か悲しそうにしている理由が思わず察する事が出来た。

「何何?、ロクナには友達居ないからそれを悩んでたり…とか?」

「…!、どうして、分かったの」

大当たり、だった様子。
彼女は自身の脳内を読まれたのか、と思ったのだろうか俺の顔を目線逸らさずに見つめ続けては何故か むすっ とした顔をする。

「おいおい、そんな顔すんなよ…大丈夫。いるだろ?友達。」

「___いいえ、私にはいな」

「いるッ!!!」

彼女は不意に" いない " と言おうとしていた事に俺は分からせる為に大声を出して彼女に" 居ることを伝えた "
だって、___目の前に 居るから。

彼女は急な大声に一瞬身体を震わせ驚いてる姿を見せる、が表情は未だに無表情のままなのだ。

「…何処に、私の友達というのは居るの?」

「それは、自分で見つける事。」

俺は彼女に一つの課題を渡した。
それは〝 自身の友達を見つける事 〟
彼女にとって大切な課題だ。

自身の友達を見つけるという事は心の安心感を与える" 一つ "だと、勝手ながらも想像したから___それに、気付いて欲しかったから。

「…わかった。頑張る。」

彼女は1回程頷いてから、その課題を脳内にコピーする。

そんな、世間から見ては他愛ない話でも二人からすると大事なお話をしながら歩いていると、目の前に「食堂」と書かれた看板を目の当たりにする。

「ぁ、ついたよ、食堂」

「之が食堂__外に出る事を許可されていない私からすると始めての場所。場所と位置を脳内に記録しておく。」

目の前には何人もの患者が椅子につき楽しく雑談等し乍食事を楽しんでいる光景が広がる。
彼女には初めてのこうゆう" 楽しい空間 "だろう。
本で読んだことがあった、人間型モデルは専門が決まるまで外出の許可は中々出るものじゃない、その為何時も人間型モデル保管所で何年もの間専門が決まるその日まで意識を持ったまま保管され続けるのだと。

だから、彼女はこれまで保管所の中で何年も過ごして来たのだ…こういった場所は本当に珍しく好奇心が芽生える場所なんじゃない、かと。

「人間が楽しく会話をしながら、ご飯を食べている___こういった場所は初めて…」

彼女は辺りを見回り続ける。
瞳には一見何も写ってはいないが、よく見ると キラキラと、輝いている様に見えた。

早速食事を頼もうとする瞬間、ある疑問が浮かんだ。

「さて!俺らも食うか、飯!__って人間型モデルって飯食えんの?」

「食べれる。食時間では何時も野菜や魚、肉や果物等のスープが毎日1食提供される。」

「────え ?」

その言葉を平然と口にした彼女に俺は驚愕した。
スープ…?それも毎日1食、だけ?

「それ!もっと詳しくっ!」

彼女のその過酷な生活に俺はどんなに辛い思いを感情が無いからって" 生命を持つ者 "に人間は与え続けているのかが気になった。

俺は近くの空いている2人用席を確保し、697と俺でその席を埋めた。

「?___分かった。
私達人間型モデルは専門に付けばそれなりの食事を与えられる。
慎也の助手型モデル37番通称ミーナさんは、医療型のトップクラスの為与えられる食事は" 魚or肉+お味噌汁 時々白ご飯or果物 "と人間より味は薄く量も少ないが1日1食それが与えられる。」

「ちょ、ちょっと待って!!1日1食って…辛くないの…?」

俺はその言葉を重視的に見た。
1日1食というのは、栄養やエネルギー、それに脂肪、体重等も激的に減って片寄るもの。
人間型モデルというのは人間により近く作られているロボットだ、人工的に作られたものだとはいえ、栄養には気をつけるものなのでは____

「人間型モデルの世界で食事1日1食というのは規則的に当たり前の事。
毎日消灯時間前には身体の身体検査及び身体の栄養素等規則正しい生活を送っているのか、という人間から検査が出る。それは専門外も専門に就いているものでも。」

「じゃ、じゃぁその規則を破ったら…?」

「即、 モデル廃棄処分 。」


その言葉には、ゾクッとした背中から来る寒気が身体を襲った。
廃棄処分___規則を一つでも破った瞬間もう、この世から要らない存在へと変わる 。

「でも、一口ぐらいなら食べる事が可能。記憶検査や胃検査等はしないから一口ぐらいなら栄養素を誤魔化せる。」

「そっ、か…。ま、まぁ取り敢えずさ!飯取りに行ってくるわ!」

そう言って俺は今の重たく暗い空気を変えようと、食事を取りに歩き出した。



「行ってらっしゃい。
ぁ、今697番メール保管メモリーに何かが届いた。確認─────ぁ、これは…〝専門紹介案内メール〟 。」

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