〜あなたside〜
陽太君&楠瀬さんが立ち去ってから、一番はじめに口を開いたのは音川さんだった。
にしてはとかひどい言い方である。
知ってますけどねっ!
聞いてやったんだよっ!
あら、いけない。汚い言葉遣いに・・・
聞いてあげたんです・・・
しってますけどもっ!
当人から聞いたしね?
ホンマはで?って言いたいんですけど、
まだ可愛げを残しましたっ私なりにっ!
2人の足音が聞こえなくなった。
ここにいるのはただ1人・・・私だけ。
正直もう文化祭とかどうでも良くなっていた。
あの2人が付き合ったところで私の立場は変わらない。
一方通行の片思いをしてる少女🅰。
それ以外のなんだってのさ。
ホンマ何が言いたいねん。
訳が分からん。
さぁ。どこのお店回ろうかな・・・
誰だろう・・・そんなことを思いながら振り返ると、
そこには
なんだその急な質問は・・・
何も思わなかったって言われてもね・・・
ただ、告白するんだろうとしか・・・
としか?
ホンマは他にも思ってたんやないの?
私の中のもうひとりの自分が私に問いかける。
行って欲しくない。
私と回ってほしい。
私の隣に・・・ずっといて欲しい・・・
色々思っていたんだ。
あの数秒の中で。
私は・・・
うわぁ・・・究極の二択。
ここは・・・認めるべきか・・・認めないべきか・・・
でも、協力・・・してもらっていいのかな・・・
いいよね・・・みやにくらい。
協力してもらっても・・・
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。