〜真冬side〜
陽太達が裏庭を出たあと、なぐが俺の隣に戻ってきた。
実はさっき陽太が戻ってきたのは俺がなぐと裏庭にいるぞってLINEしたから。
それをなぐは知らない。
なんやかんやで愛莉紗に振り回されてるな・・・こいつ
そう思いながら俺の胸に頭を預けているなぐを見る。
言ってる意味が分からないと言わんばかりのアホ顔で俺の方を見てくる。
なんかあるんだな・・・
だろうな・・・。
なんていうか・・・
その時じゃない・・・か。
俺は、なぐからする必要ないと思うけど・・・
それは口が裂けても言えないしな・・・
てか陽太も陽太だ。
愛莉紗になんやかんやで連れ回されて。
それでなぐが悩んでる事を全く知らない。
俺はその時いいことを思いついた。
陽太を行動に移させる・・・最終手段とも言えるであろうことを。
でも、これはハードルが高いかな、なぐができると言えば、実行だな。
笑顔で俺の手を繋ぐなぐは、確かに陽太が恋するのも無理ないと思った。
だからといって、俺が好きになる訳では無いけどな
そうこうしているあいだに、キャンプファイヤーのある場所に着いた。
ここからなら陽太達が丁度みえる。
作戦実行だ
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。