屋上
ガチャ
ドアを開けると誰もいなかった。
瞬くんもまだみたい…よかった。
私は内心ホッとした。
涼しい風に当たりながらどう言おうか考えた。
言いたいことはひとつなんだけどね
悩みながら私は屋上の下を覗いた。
すると…
瞬くんは私をぐいっと屋上の柵から引っ張った。
瞬くんは はぁ~っとため息をつき
笑顔になった。
優しいなぁ本当に。
自分の心臓の音が聞こえてくる。
でも伝えなきゃ…この気持ち。
瞬くんはとても驚いていた。
でもそこから瞬くんは無言になった。
沈黙が怖い。
あっ…そうなんだ…好きな人いるんだ…
ふいに涙が出そうになったけどこらえた。
瞬くんを困らせたくないから。
だから笑顔で。
私は屋上のドアを開け教室へ戻った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。