真美side
"なんだ、大したことねぇーじゃん。"
そんなことを思っていると、不意に声が掛かる。
女子生徒「...(勢い良く)あの!!!!!」
真美「...。
(そっけなく)ん?」
女子生徒「...(緊張と恐怖に立ち向かうように)
ありがとうございました!!」
真美「...(またまたそっけなく)何が?」
女子生徒「...(緊張と恐怖に耐えながら)
助けて...頂いたので!」
真美「...
誰が、あんたを助けたって?」
女子生徒「...(困惑したように)えっ?」
真美「ただ、バカなヤンキーがうちの高校で好き勝手やってやがるって言うから、ちょっと出てきただけ。
それに...
あんただけじゃ、どう考えたって太刀打ち出来ねぇーだろーよ?
それだけ。
別に、礼を言われることじゃねぇーよ。
...(ほんの少し微笑んで)あいつらのせいで、授業遅れてんだろ?
早く行けよ。」
女子生徒「...(パァっと明るくなって)はい!!!!!
ありがとうございました!!
失礼します!!(急いで教室へ向かう)」
情報通の仲間「...(真美の近くに来て、小声で)
いいんですか?明西のヤツら、そのまんまにして。」
真美「(クールに)いいよ。
どうせ、また来るんだろーし。
よし、俺、授業戻るから!
(微笑んで)ありがとな。教えてくれて。」
情報通の仲間「いいえ。
姉御の為なら、お安い御用ですよ!」
真美「ありがと。
また、何かあったら頼む。」
情報通の仲間「ええ。
おまかせあれ。」
真美「じゃあ、またな!(颯爽と去る)」
情報通の仲間「ありがとうございました!!(深々と頭を下げる)」
真美「...。(黙って背中越しに手を振る)」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。