真美「祐叶...。
(祐叶に抱きついて)
俺...
もう、ダメかも。」
祐叶side
「よし、俺が元気づけよう☆」
なんて思ったけど、元気づけようもねぇーみてぇーだな。
だって...
真美が、俺に見せてきたのは...
たくさん傷つけられた腕だったから...。
祐叶「...(真剣に)真美。
お前がやったのか?」
真美「...あぁ。
自分でやった。
もう、どうしようも無くて、自分を傷つけるしか無かった...。」
祐叶「...真美。
(息継ぎを忘れて勢いよく)なんでそんなことした!?
なんで俺を頼らなかった!?
なんで傷つける前に誰かに「助けて」って言わなかった!?
(悔しそうに)なんで...。」
真美「...誰にも...言えなかった。
だって...
俺には守らなきゃならねぇーもんがあるから。
背負わなきゃならねぇーもんがあるから。
でも...
背負いきれなかった...。
ごめん。
俺...せっかく祐叶にトップを任せてもらったのに...
それなのに、こんなに弱くて...。
ごめん。」
祐叶「...。」
祐叶side
真美は泣いていた。
中学の頃から一緒に居るけど、泣いてるのを見るのは初めてだった。
何度も「ごめん。ごめん。」と謝りながら苦しそうに泣く彼女の姿に、真美も女であることを実感した。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。