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第1話

中二病?
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2017/10/16 23:57
「はじめまして♪僕チコ!ピエロのお人形さん!よろしくね」

「はい?」






私は何故ここにいるのだろう?

イギリスの大きな家。別荘?みたいなところ。

私を迎えてくれたのはピエロのメイクをした小柄な男の子。
自分で人形と言っているが、ただの中二病か?





約一か月前、私の家のポストに奇妙な手紙が入っていた。古臭い封筒は昔のように溶かした蝋で閉じられ、トランプのカードのようななんとなくモダンな感じの紋章でスタンプされていた。

送り主は The One Who Loves You Most …貴方を一番愛するもの?ふざけてる。
封筒を開けると、手紙と飛行機のチケットのようなものが入っていた。手紙の内容は、

今宵貴方様をカードの屋敷へとご招待します。六月一日、イギリスのハムプシヤー、バスキングストークまでおいでください。交通費は全てこちら側から出しております。お待ちしております。


少し気味が悪いが、ただでイギリスまで行けるならそれでいっか!と思い今着いたのだが。

大きい。そしてピエロのお人形さんと言っているこのチコという少年は一体…。

「お客様のお名前はなに?」

「坂入若菜です。」

「さ…かい…り わ…かな?」

「そうですけど…?」

「若菜様っ!待ってました。」



一瞬すごくゾクってしたのは気のせいかな?気のせいだろう。





あれ?チコ君の後ろの椅子にうさぎのぬいぐるみがちょこんと座っていた。
真っ白で茶色のリボンをしていて、目がくりくりとしたすごく可愛いうさぎだったのでつい

「かわいい!」

と口にした。


「駄目だよ、この子は僕の。」

「すごく可愛いぬいぐるみさんですね」

「何言ってるの?この子ぬいぐるみなんかじゃないよ、僕の恋人。ね、ダーリン」

「恋人…?」

「うん!まぁ、僕の恋人さんの身代わりだよ!」

「えと…その、本物の恋人さんは一体、?」

。。。

チコ君が不気味な笑みを浮かばせた。

怖い。



中二病にもほどがあるぞ…と思ったその時、二階から誰かが下りてきた。




「チコく~ん…お風呂場どこで…!?」

あれ?聞き覚えのある声。


「あ、あや様。お風呂場は三階の「わかちゃっ!!!」」


ん???あ!!!


「あ、あーちゃん!?」


あーちゃんは、私の遠距離中の彼女さん。イギリスに住んでるのは知ってたけど、こんなとこじゃなかった気が。


「何でここにいるの?」


聞いてみた。


「なんかねー!手紙が来たのー」

「私もだ、」

「他に人いないの?」

「んー。あと5人くらい?」

「そんないるんだ。誰?知ってる人?」

「うんうん!聞いてびっくりしないでよ!!あの、超有名…」



「皆様お揃いだね!」

チコ君があーちゃんの話に割り込んできた








{皆さんメインホールへお越しください}

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