俺は「化け物」だ。
人を不幸にする化け物、不幸という仮面付きの化け物。
俺の顔に付いてる仮面はどれだけ頑張っても剥がせない。
この仮面を被ってる限り俺は幸せになれない、だから少年が俺に声を掛けてきた時この子の家に付いて行くのは気が引けた。
でもこの子の服を見て「あぁ、寂しいんだな」と思った。
真っ黒の服、それは喪服を意味している。
その少年の後から出てくる人も黒い服を着ている為きっとこの子の親が死んだんだろう。
だからほっとけなかった、でも一応の為俺の事を皮肉って「俺といると不幸になるけどいいの?」なんて事を言った。
僕のその言葉に少年も自分の事を皮肉って「これ以上の絶望はないよ」なんて言ってくれた。
その時直感的に「この子、もしかしたら死んじゃうかもしれない、俺が守らなきゃ」なんて思ってさ。
それが俺「化け物」と少年の出会いだった
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。