第8話

衝撃
63
2017/10/26 07:37
響君が話してくれた自分の事、俺は思わず泣いてしまった。
母親の言い分もわかる、気持ちが病んでしまうのもわかる、でもそのあとの事を考えて欲しかった。
いじめが発覚したなら学校に言うなりどうにか出来なかったものなのか。
それで逆にいじめが酷くなったり、いじめが元々無かったものになったりするかもしれないけど…それでもちょっとは変わってたと思う。
泣き終わったあと僕は自然と口にしていた。
化け物
響君をいじめてた人に会えないかな?
…え?
俺は咄嗟に口元を抑える、まずいことを言ってしまった…。
俺がどうにかしようと言う考えが先走ってしまった。
響君は少し怯えた表情をしている。
化け物
あ、ご、ごめん…無理にとは言わない…
でも、その…
なんて言えばいいのだろう、言葉が思うように出てこない。
俺があたふたしてると響君は意を決したような表情をしていた。
わかった、どうにか頼んでみるよ
そう言って微笑んだ。
化け物
あ、ありがとう…!
そう言うともう1度微笑んでくれた。
響君は「そろそろお腹空いたでしょ?」って言って味噌汁と白ご飯を出してくれた。
あぁ、まともな食事食べるのはいつぶりだろうか…。
それに誰かと食べる、のも久しぶりだ。
響君も嬉しそうに食べてた。
もしかしたら俺と一緒に食べるの嬉しいって思ってくれてるのかな。
そうだと嬉しいな…。

プリ小説オーディオドラマ